リフィル先生の解説によると、私達は救いの塔で殺されるところをこの基地のディザイアンによく似た集団に助けられた、ということ。彼らは自分達を『レネゲード』と呼んでいるらしい。


「どうやらレネゲードはディザイアンと対立しているようね。わざとよく似た姿をしているのにも理由があるのでしょう」

「あのユグドラシルとかいう天使は何者なんだ?それに…クラトスは…」

「そのことなんだけど…。ユグドラシルが残した言葉を覚えていて?」


リフィルの問いにロイドとクレアは頷いた。どうやらジーニアスとしいなの二人は、先に話を聞いているらしい。


「これは推測だけれど…。マーテル教会が信仰する神の機関『クルシス』は、ディザイアンと同じ組織ではないかしら」

「…ま、待ってくれ!訳が分かんねぇよ!」

「え?…ど、どういうことですか!?」


二人は身を乗り出してリフィルに問う。クルシスとディザイアンが同じ組織…?クレアは頭の中でリフィルの言葉を反復する。そんな、まさか…。


「ディザイアンがクルシスの一部、あるいは手先だと考えればつじつまは合うの」

「ディザイアン五聖刃も前にユグドラシルがボスだって言ってたよ。ボク覚えてる」

「そして私達の目の前に現れたユグドラシルも言っていたわ。自分はクルシスとディザイアンを統べる者だと」


少しずつだけど、話の内容が整理出来てきた気がする…。でも、生まれた時からクルシスを、マーテル教を信仰して育った私にとっては信じたくない話だった。


「ディザイアンとクルシスが同じ組織なら、じゃあ…クラトスは?ユグドラシルに頭を下げたあいつは…本当に…」

「…ああ、敵だったんだよ!あたし達を裏切ってたのサ!あいつは自分で名乗ったんだよ。クルシスの四大天使だって!」

「恐らくクラトスはユグドラシルの部下なのよ。コレットが世界再生の旅から逃げないように、監視でもしていたんでしょう」


コレットが世界再生の旅から逃げ出す…?そんなことある訳がないのに。彼女は世界の為なら自身が犠牲になっても構わないと言った。実際、コレットの心は世界の為に犠牲になった。残されたのは、空っぽの肉体のみ。
じわりと涙が浮かんできたけど、私が泣いても何も変わらない。むしろ皆に迷惑を掛けてしまう。下唇を噛み、溢れそうになる涙を必死に堪えた。


「…俺達は最初からずっと騙されてたって訳か…。レミエルにもクルシスにも…クラトスにも!」


ロイドが力任せに壁を殴ると、部屋の扉が開き一人の兵士が入って来た。ディザイアンではないと分かっていてもあまりに姿形が似過ぎている。クレアは思わずコレットを背に隠し、身構えた。


「お目覚めですか?それでしたら隣の部屋へどうぞ。我々のリーダーが、お待ちです」


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