TRIO!! | ナノ

「ねえ、ひな」
「あー?」
「今日の男、だれ?」


夜、お昼に矢野くんが美味しい美味しいとたいそう喜んでくれて、今の今まで上機嫌でいた。現在進行形だけどね。
そしたら、いつの間に入ったのやら、はるちゃんがわたしの部屋に入ってきていた。


「ノックしろや」
「僕の質問に答えやがれ」


わ、おー。
なんだか黒い! 黒いよはるちゃん・・・!
笑ってるけど言葉が汚いはるちゃんの様子に、彼が不機嫌だと気づいたわたしは仕方なく質問に答えた。


「・・・ただの後輩だよ」
「ふーん・・・ただの後輩と手つなぐんだ」
「引っ張られてただけじゃん」
「そうでもなかったよ?」
「・・・何が言いたいのよ」


ネチネチ彼氏風なはるちゃんにイライラして、睨みながら聞いてみた。
そしたら、急に手を出してきた。


「ん」
「なにが?」
「ん」
「は?」
「ん」
「いや、トトロに出てくるかんたしゃないんだから」
「別に真似てないよ」
「あーはいはい。 てか元々かんたみたいなツンデレイケ男じゃなかったね、はるちゃん」
「そういうことじゃなくて」
「じゃあ、この手は何よ」
「手」
「手?」
「アイツと手つなぐんなら、僕ともつなげよ」


あと翔とも、とぽつりと付け足すみたいに呟いたはるちゃん。
え、なにそれ


「まさか嫉妬してんの?」
「そうだよ! だから、手」


いつの間にそんな可愛い芸極めたんだよ。
なんて思ってニヤニヤしながら、仕方なく手をつないであげた。
そしたら、先程まで不機嫌だったはるちゃんの表情が少し穏やかになった。
ゲンキンだな。 中学生かよ。


「満足ですかー?」
「・・・ふん」
「ジュースおごってね、はるちゃん?」
「・・・はいはい」



男の子ってちょー単純!



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