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「ひな遅いなー」
「だなっ! 何してんだろ」


僕は翔と中庭のベンチでひなを待ちながら、もそもそと弁当を食べていた。
隣でプチトマトを三つほど口に入れてもしゃもしゃ食べる翔、ハムスターみたいできゃわ。
あ、死語かな?

それよりも、あの若干コミュ症入ってるであろう、友達が少ないひなが野暮用とは・・・
もし、先生に呼ばれているなら、あらかじめそういう筈なのに・・・。


「野暮用って・・・」
「あ! あれぴなこじゃね?」


僕がぶつくさ言っていると、翔がひなを見つけた。
僕は翔が指さす方向に視線を向けた。


「誰だ! あの男!
ぴなこと手ぇつなぎやがって!
ちょーうらやましいんですけどー!」


ほんと、僕らを差し置いてひなと手つなぐなんて・・・


「って違う違う。
翔! そこ重要なところじゃないよ!」
「え、違うんか! あ、分かった!
あの男、ちょっと可愛い! とか?」


だめだ、こいつあかん。


「あのコミュ症ひなが僕ら以外の人、しかも男と一緒にいるどころか、手まで繋いでるんだよ!
僕らとも手をつなごうとしないのに!」


僕がそう言えば翔は、みるみるうちにどうしよう!って顔をした。
かわいいやつめ。じゃなくて、この単細胞め。


「取りあえず、事情聞かないとね」


僕らになんの断りも入れずに、男といるからね。


「はる、目笑ってない・・・。」



目撃犬と黒笑大魔王様のお昼休み



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