TRIO!! | ナノ
弁当はいつも自分で作っているから、ほぼ冷凍食品か前日の夕飯の残り物なんだけど・・・
今日は特別なのだよっ!
昨日の天然たらしなのか確信犯なのかよく分からない矢野くんのハグに、寿命が縮んだ気がしたけど、まあなんやかんや言っても、可愛い後輩なんでね。 それに顔も可愛らしいし、ね。
女子ってやんよ! みたいな、ね。
ていうか、料理は得意分野でよかったー。
やっぱり男は胃袋を掴まなくてはね!
「ひなー、翔が3人で昼ごはん食べたいって」
「ぴなこっ! 会いたかったわよんっ!」
「うざいうざい、近寄んな」
4限目が終わり、矢野くんに渡す弁当を準備していると、入口でたむろってる翔とはるちゃんがわたしを呼んだ。
翔久しぶりの登場なのに、相変わらずうざいというね。
てか、わたしに抱き着こうとするのやめろよ。
「はるぅー! 俺久しぶりの登場なのにぴなこがいじめるぅー!」
「うん、ちょっと黙って。 ひな、どうする?」
はるちゃんのスルースキルが洗練されていってるよ。
「あー、先に用事あるから、それ終わったら一緒に食べる」
「用事?」
「うん、ちょっとね・・・。
取りあえず、先に食べてて」
「分かった、じゃあ中庭のベンチで食べとくね」
そう言ってはるちゃんは、嘆く翔を引きずって教室を出ていった。
はるちゃん、いいキャラになってきてるね・・・
なんて思いつつ、急いで教室をあとにした。
随分タイムロスしてしまったようだ
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