TRIO!! | ナノ
入学式以来、後輩となった疑問系美少年は、見かける度に寄ってくる。
「あ、先輩。こんにちはっ」
そんなこと考えてたら、早速尻尾振り回して駆け寄ってきたよ、なんだか翔みたいだよ。
あ、でも翔と違って身長低いから可愛げあるわ。
「よっ、おつかれっ」
「先輩なにしてるんですか?」
「え、ジャンケン負けて現文のノート提出しに行ってるなう。」
まったく。か弱き乙女に重い物持たせて手伝おうともしないなんて。
こーいうところ、みんな思いやりが足りないんだよね。
「わー、先輩ただでさえ腕折れそうなのに、こんなん持ってたら折れますよ。」
と言って、私の持っていたクラス全員分のノートをひょいと持ってくれた。
身長私と大して変わらないのになんだよ、この胸きゅんフラグ。
「お姉さん困っちゃうわんっ!」
「へ?」
「いや、私事だから今の無視して」
心の声がポロっと出ちゃってちょいと恥ずかしくて俯いてたら、疑問系美少年はくすくす笑ってた。
何笑ってんだよおいってノリで見上げた。
ら、
「先輩ってほんと、可愛いですよね。」
陽だまりみたいに微笑まれて、
「っ・・・、
帰りにジュースおごったる。」
姉さん、恥ずかしさを隠すのに必死だったよ。
胸きゅんフラグに火の用心
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