03.もう少し、隣にいてよ




「もうこんな時間か……そろそろ帰りましょうか」

「やだ」

「やだって…先輩、門限あるでしょう」

「知らない。そんなのない」

「はあ…ついこの間も、遅くなってこっぴどく怒られてたの忘れたんですか」

「…忘れた」

「アンタな…」

「だって、まだ剣城と一緒にいたいもん」

「……っな…に、言ってんですか…」

「お願い、剣城。もう少しだけでいいからさ」










もう少し、隣にいてよ。

(……少しだけ、ですからね)


title by鏡花水月さま