非リアな僕ら







「クリスマスなんて嫌いだ!」

「なんだよ、急に叫ぶなっつの。びっくりするだろ」

「だって、クリスマスなんだもん。叫びたくもなるってもんよ」

「いや意味わかんねえ」

「リア充なんて爆発しろ、むしろ滅びろ!墜落した
サンタのソリに巻き込まれてしまえ!!」

「最早何言ってるかもわかんねえ」

「晴矢、なんでもいいから規模のでかい必殺技教えて!片っ端からラブホぶっ壊してくるから!」

「なあお前もう酔ってる?酔ってるよな?」

「酔ってないわ!チューハイ一杯で酔うほど私はリア充じゃないもん!」

「よし分かった、酔ってるなお前」

「酔ってないって、ああ!私のももちゅー!」

「没収」

「うう…!何よ何よ、晴矢だってさあ、彼女いないじゃん?だからこんな日に私と飲んでるんでしょーが!」

「…俺は別にいいんだよ」

「ふんだ、余裕ぶっちゃってさあ…どうせ私は独り身ですよ。好きな人に女とも見られてない惨めな片想いですよーだ……晴矢だって、非リアのくせに。モテないくせに。恋人いない歴24年のくせにー!」

「うるせー!俺は彼女作れねーんじゃなくて、作らねーんだよ」

「言い訳か!俺はお前とは違うぜってやつか!」

「ちげーよ!俺はなあ、お前が俺に振り向きゃあ、恋人どころか結婚だって速攻…………あ」

「え?」

「……い、今のなし!!」

「いや無理だし、もう聞いたし。何、晴矢って私の事好きだったの?」

「い、今のは、違う、ちが、」

「好きじゃないの?」

「う……」

「ねえどっち?」

「……っうううううるせーーーー!!」

「あっ、逃げた」










非リアな僕ら

(戻ってきたら、実は私も好きだよって、言ってやろ)