だいすきいっくん!6






「ねえねえいっくん、ピザって十回言って」

「……ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ」

「じゃあ、ここ、なーんだ?」

「……肘」

「え!?当たった!?」

「そんな定番に引っ掛かるわけないだろ」

「えっ、うそ!?円堂くんは引っ掛かったのに!?」

「引っ掛かったのか、あいつ」

「秋ちゃんも引っ掛かったよ!?」

「……木野は多分、わざと引っ掛かってくれたんだと思うぞ」

「えっ!?そんなまさか…!」

「そんなの引っ掛かるのは円堂みたいなやつだけだって。お前とかな」

「そ、そんなこと、ないもん!多分!」

「じゃあやってみるか?みりんって十回言って」

「みりん、みりん、みりん、みりん、みりん、みりん、みりん、みりん、みりん、みりん」

「鼻の長い動物は?」

「きりん!」

「残念、象だ」

「えっ!?きりんじゃないの!?」

「鼻が長いのは象だろ。きりんは首な」

「あっ!そうか!気付かなかった…!」

「やっぱり引っ掛かったな」

「ああん悔しい!いっくん、もっかい!他の問題出して!次こそ当てる!」

「……じゃあ、シャンデリアを十回」

「よし!シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア、シャンデリア!」

「毒リンゴを食べたのは?」

「シンデレラ!」

「違う、白雪姫」

「あれっ!?」

「お前みたいに馬鹿正直だとよく掛かるな」

「おかしいな、シンデレラって毒リンゴ食べて舞踏会に……あれっ?」

「(……それ以前の問題な気もしてきた)」









だいすきいっくん!6


(いっくん、もっかい!今度こそ引っ掛からないから!)
(何回やっても一緒だと思うぞ…)