だいすきいっくん!5
風丸大好き幼馴染み。ちょっとあほの子。
「おはよー秋ちゃん!」
「あ、おはよ、二人とも」
「おはよう」
「秋ちゃんと朝会うのって珍しいねー」
「そうね、私、いつもはもう少し早いから」
「そういえば、木野はいつも早いよな」
「そういえばそうだねえ。今日はなんでこの時間なの?」
「さっき近所の人とばったりあってね。つい話し込んじゃった」
「あー、それで今の時間なんだ?」
「ええ。その人、犬の散歩中でね、大きなレトリバー連れてたのよ」
「へー、いいなー私も会いたかった!」
「会いたかったって…」
「ふふっ、動物好きだもんね」
「うん、大好き!あ、そういえばね、うちも犬飼い始めたのー」
「…!」
「そうなんだ、どんな犬?」
「マルチーズだよ!まだ赤ちゃんでね、白くてふっわふわなんだぁ」
「へえ、可愛いわね」
「うん!しかもね、この子ツンデレでね、もうほんとにすっごく可愛いの!」
「ふふ、そうなんだ」
「……」
「その子、名前はなんていうの?」
「いちろーた!」
「…え?」
「……」
「だからね、いちろーたって名前にしたの」
「…」
「……はあ」
「どうしたの秋ちゃん?いっくんも、なんで溜め息?」
「…風丸君も大変ね」
「…まあな」
「…??」
だいすきいっくん!5
風丸君が同情されるのは、大体いつものこと。