貴女の為なの!

●ファイアーエムブレム暁の女神 二部終了時期
●ルキノさん大好き変態夢主
●雑なギャグ
●遠い昔に書いてたのを軽く修正して完成させたので、色々とカオスってます





















私はグレイル傭兵団のナマエ。
クリミアの反乱を抑えるべく、今の今までアイク団長達と共に身を隠していました。
その作戦は見事成功し、反乱軍をおびき寄せる事が出来たのだけど…
この作戦のせいで、私のルキノさんに命の危機がっ!!
でも、腰抜けヨファを見兼ねたシノンさんの矢が見事縄に命中し、無事にルキノさんを助けることが出来ました。
流石シノンさん!ご苦労であった!()
あ、勿論反乱軍は全員、私が怒りに任せて皆殺……ごほん。しっかり成敗したから★

………ただ一人を、除いては。










貴女の為なの!









「ルキノさんっ!!」


王宮内を全速力で駆け抜けて、愛しの彼女が居るであろう部屋に飛び込む。





「ナマエ!?」


やはりそこに彼女は居て、驚いたような顔をして私を見た。




「久し振りね、元気だった?」

「はいっ!私は元気です…って、違いますよぉ!」



元気良く駆け寄って、元気良く意味の無いノリ突っ込み。
そして一番気になっていた話題を切り出した。




「一体どうしたんですか、その髪!何でそんなに短く…っ」

「あ、これは…」

「あんなに長くて綺麗だったのに、何で切っちゃったんですか!?」

「…あのね、ナマエ、実は…」













「……そうですか…私の居ない内に、そんな事に…」


ルキノさんに事情を聞いて、少しだけ落ち着いた。



「そう。分かって貰えた?」

「はい……充分解りましたよ、フェリーレの阿呆共が取り返しのつかない事をやらかしやがったんですね!!」

「えぇっ!?」

「あのカス共、満足に戦も出来ないなんちゃって兵士の分際で…!!任せて下さいルキノさん!今から地下牢へ行って馬鹿な領主を吊してきます!!」

「ちょ…ナマエ!?」




地下牢へ向かうべく後ろを向いた時、ルキノさんが私に延ばした手を握り締めたくなったけど、その衝動を必死で抑える。
そして、入ってきた扉を開けて一歩踏み出した。




「では早速、行ってきま…ぶふっ!?」


踏み出した瞬間。
何かとてつもなく硬いモノに顔面を強打した。



「痛…っ〜〜!!」


一体何!?壁!?
ドア開けたら壁!?
そんな馬鹿な……って、よ、鎧…?





「……何してるんだ?」

「痛…って、ジョフレ!」






「「丁度良いところにっ!」」


わぉ、ルキノさんとハモった!
これぞ愛の力…って違う違う、それどころじゃ無いんだった!




「?丁度良いって、何が…」

「ジョフレ、ナマエを止めて!」

「ジョフレ、一緒に髪の仇を打つわよ!!」

「は?止めてって…髪…仇?」

「良いから、ちゃんと捕まえて!」

「良いから、一緒に地下牢に行くのよ!フェリーレ領主の息の根を、迅速に且つ確実に止めてくるの!!」

「……ああ、そういう事か」




事を理解したらしいジョフレは、ポンと拳で手の平を叩く。(これ古くない?)
そして、私の首根っこを掴んで中へと連れ戻した。





「………え?何で!?」

「何でじゃない。勝手な行動をするな」

「勝手な行動とは何よー!?私はただ、ルキノさんと私の今後の為に、不純物を処理しに行くだけなのよ!!」

「今後の為って何の話だ。そしてルドベックは不純物扱いか」

「当たり前でしょー!?私のルキノさんに手を出す奴は、領主だろうが王宮の文官だろうがぶっ殺してやるわ!!」

「気に食わない奴ピンポイントで来たな」




私の言葉に冷静にツッコミつつ、未だ掴んだままの私を引きずってルキノさんの前まで進む。
っていうか、女の子の襟首掴んだ上そのまま引きずっていくってどーなのよ!?
いくらルキノさんの弟でも失礼じゃなくって!?





「もー!引きずるなよジョフレ!!」

「そうでもしなくては逃げようとするだろう」

「当たり前ですー!」


ばたばた暴れる私を諸ともせず、ジョフレは引きずっていた私を立たせた。




「…その手は離してくれない訳?」

「当たり前だ」

「………チッ」




最悪だわコイツ!
私の事女の子と思ってないよ絶対。





「ジョフレ…私今あんたに構ってる暇無いの。一刻も早く奴を始末しに行かなきゃいけないの。だからさっさと手ェ離せ」

「無理だ」

「だからなんでよー!」


もう一度ばたばたと暴れる。
が、その抵抗も意味は無く、逆にルキノさんに醜態を晒しているだけだと気付いて慌てて止めた。







「っとにかく!ルドベックの野郎は、私が責任持って殺ってきますから★」

「遂に本音が出たか」

「ジョフレさっきから五月蝿いよ。あんたも一緒に埋めてやろうか」

「いや、遠慮する」



そう言って顔を背けた。
全く、いちいち気に障るわね!



「あの男は、ルキノさんに手ぇ出した報いを受けるべきだわ!牢屋に放り込むだけじゃ駄目、死に値するくらい…いいえ、それ以上の罰を与えなくちゃ!」

「ナマエ、落ち着け」

「コレが落ち着ける訳無いでしょーが!ルキノさんに酷いことしたのよあいつ!ジョフレだって、憎いでしょ?悔しいでしょ!?」

「気持ちは解るがな…」

「あいつに復讐しなきゃ、気が済まないのよー!」



言ってる内に気が昂ってきて、また暴れようとした私に、ルキノさんが手を握ってきた。




「で、でもねナマエっ!私はこれでも良いと思うの!」


手を掴んだまま、ルキノさんは私の顔を覗き込んでそう言う。
(ヤバい可愛い嬉しい死にそう)



「ほら、短くなって、軽くなったし、動きやすくなったし…以前より楽に感じるのよ!」

「…ルキノさん……」






私に心配掛けまいとして…!

そんな優しいルキノさんが素敵です!!(親指ぐっ)











「(ルキノさんやばい可愛過ぎるお持ち帰りしたい寧ろ今直ぐ喰いたい)……そうですね!ルキノさんが言うならっ」

「今の裏の有りそうな妙な間は何だ」

「別に何でもないよ。全く、ジョフレはほんとシスコンだなぁ!」

「ああ解ったから黙ってくれ」



……って、そんなどうでもいい事(ジョフレ)より、今は何よりルキノさん!
よくよく見れば、ショートもバッチリ似合ってる。
(まあ当然ルキノさんなら何でも似合うに決まってるけど!)
これはこれで美味しそ…げふげふん。美しいと思う。








「……やっぱり、ルキノさんならどんなでも良いですっ」



ジョフレの手を振り払い、ルキノさんにぎゅっと抱き付いた。




「ルキノさんが…無事に、生きててくれるなら、良いです」

「ナマエ…」



ルキノさんも、私の背に手を回して抱き締め返してくれる。

嗚呼…幸せ…!
もうこのまま死んでも良い…!











……………あ。

ルキノさんのうなじが。()



ぎゅっと抱き付いてるから、丁度目の前に首筋が見える。
しかも三年前は中に着てたハイネックが無くなって、髪も短くなったから余計に露出されてる。
更に昔より胸元が開いてるから、その下にはルキノさんの大きな胸が(強制終了)


……要は、私の目の前には、ルキノさんの白くてさらさらで綺麗な珠のような肌。




「(綺麗だなー触りたいなー舐めたいなー食べた「ナマエ?」

「ひゃい、はいっ!?」




突然ルキノさんが名前を呼んだから、返事をした声が裏返った。
しかも噛んじゃったし!恥ずかしい!





「……お前今また妙な事考えてただろ」

「失礼ねジョフレ!妙な事なんて考えてないよ!」

「ならその顔はなんだ」

「その顔って、どの顔よ!」

「お前のその限り無く緩んだ顔だ」

「緩んだ顔って、そりゃルキノさんがぎゅってしてくれてるんだから緩んじゃうに決まってるじゃない!!」

「開き直るな」

「何よ、もしかして羨ましいのねジョフレ!?最低だわ、エリンシア様という素敵なお方が在りながら、本命は実の姉だなんて…!!」

「だから妙な事言うな。寧ろ黙れ」



またジョフレに襟首掴まれて、無理矢理ルキノさんから剥がされた。






「むー!良いわよ、もう帰るもん!ルキノさん、また逢いに来ますね!」



ぺしっ、とジョフレの手をはたくと、意外と直ぐに離してくれた。
……初めっから素直に離しといてよ。



「あら、もう行くの?もう少しゆっくりしていけば良いのに」

「そうしたいのは山々なんですけどねぇ…ティアマトさんに早く帰ってくるように言われてまして。……お邪魔虫も居ますし」


キッ、とジョフレを睨み付ける。
視線があったジョフレは、素知らぬ顔で微笑んでいた。
何その微笑、私が帰るのがそんなに嬉しいかこのやろ。
いつかシメてやる。




「またいつでもいらっしゃいね」

「…っはい!また来ますから!!」



ルキノさんにそう言って貰えた事が嬉しくて、子供みたいに大きく返事をした。

ルキノさんが、またいらっしゃい、だって!
よし、明日も来よう!





「では、今日の所は帰ります。ジョフレ、今度は邪魔しないでよね!」

「お前が余計な事をしなければな」

「余計な事って何よ」

「地下牢に行ったり、ルドベックに何か仕掛けたり…」

「失礼ねー!余計な事じゃないでしょ!」

「やる気なのか」

「やる気で悪いか」

「ナマエ、変な事しちゃ駄目よ?」

「はいルキノさん!変な事しませんっ」

「いい子ね。気を付けて帰ってね」

「はーい!」

「子供扱い…」

「黙れジョフレ」





最後に一発ジョフレに蹴りを入れて、ルキノさんに頭を撫でて貰ってから、私は上機嫌で団長のもとへ帰りましたとさ。












次の日こっそり地下牢へ行こうとしたけど、そういえば私地下牢の場所知らないんだった!