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カッ―――――――
突然、目の前に真っ白な閃光が走った。
強すぎるその刺激に思わず目を瞑る
刹那、誰かが俺を上から覆い被さるように抱き締めた
「ッ!?……」
驚きで一瞬息がつまる
ゆっくりとまぶたをあげると、ふわりとウェーブのかかった綺麗な亜麻色の長い髪がなびいているのがかろうじて見えた
警戒する事も忘れ、ただただ綺麗だ…そう思った
その時、
『…やっと……また会えた』
甘いかすれ気味なテノールの囁きが耳元で響いた
…この人……
(…俺を、知ってるのか…?)
また、なんて言うからにはどこかで知り合っているのだろうか
しかしどんなに記憶をたどってみてもこんな人に覚えはなかった
返す言葉を必死で探す俺の首筋にフッとその人の息が当たる
空気が動いて、口角が持ち上がったのが分かった
『…はじめまして、ミナトくん』
スッと体を離して、丁寧に礼をするその人の顔を見て
一瞬の間の後、息を飲んだ
写しだった
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