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どうやらカブリエルはゆかりちゃんがちょっとした出来心で自分の部屋に持ち込んだらしい。俺がゆかりちゃんの部屋に行くと、すでに白石はカブリエルを発見して虫かごごとカブリエル抱き締めていた。
「カブリエルー、カブリエルー」
「よかったな」
ああ、もういっそのことカブリエルと結婚でもなんでもしてしまえばいい。絶対俺の存在なんて忘れてるだろう。
はあ、とため息をつくけれど白石の耳には入っていないと思った。さっきっからカブリエルしか言ってないし、こっちも見ない。どれだけカブリエルが好きなんだよ。
しばらく白石がカブリエルを見つめたり、なでたりしているのを見ていたがいつまでたっても俺のことは思い出さない模様。
もう一度はあ、とため息をして俺は帰ることを決断した。どうせここにいても白石がこれじゃあ何もすること無い。俺は静かに立って、どうせ聞いてないだろう、と何も言わずにその場を立ち去ろうとした。
その時。
「なんや、謙也。帰るんか?」
やっと白石は話しかけてきたけどこっちとしてはもう、今更何だ、という話である。しかも、居るって分かっているなら、もう少し気を使ってくれてもいいじゃないか。なんて気持ちが苛立つ。
「ああ、帰るわ」
そう告げて振り返らずに部屋の扉の方へ行こうとすると、白石が俺の名前を呼んだ。と、同時に体が後ろに傾き、そのまま白石の方へ飛び込む形になった。
なにすんねん!とおもいっきり反抗してやろうとしたが、その前に白石に耳元でごめんな、と切なそうな声で言われ、固まってしまう。
「次はちゃんと構ったるから今日は堪忍な」
「――――――っ」
勢いよく白石から離れると、白石はにこにこした顔で、顔赤なってるで、と笑っていた。
あとがき
こんにちは
秋瀬です(^^)
今回はminatoのリクエストで
蔵謙を書かせていただきました
白石のキャラが迷子です
なんか、すごく申し訳ない…
基本的に夢小説ばかり
扱っておりますが
細々と活動しております!
おそらくlinkから
飛べると思うので
ぜひ、AnotherStoryにも
お越しください(^^)
20120313
秋瀬りん
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