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私の彼氏である、廉はとにかく超がつくほどの消極的。引っ込み思案で恥ずかしがり屋で。初めてのデートだって私から誘ったし。初めて手を繋いだのも私から…

とにかく、彼は何事も自分からしようとしないのだ。



「名前、お待たせっ!」
「ううん。いいよー」



普段は部活で忙しい廉だが今日はミーティングだけの日らしく一緒に帰る。
はぁ…と、息を吐けば白くなる。
廉は隣でマフラーを巻こうとしているが……なんだか巻けていない…



「ほらほら、じっとして」
「う、わ!ご、ごごごめ…」
「はい!できたよ」



廉の前に立って、マフラーを巻き直す。
すると、不意に廉と目が合う。
意外に近かった、廉の顔に思わず照れてしまう。
しかし、それよりも早く……



「う、わ、あっ!」
「ひゃっ…!」



廉が走っていってしまった。



「ご、ごめ、ごめっ…!」
「大丈夫だよ。帰ろ?」
「……うん」



いつものこと。分かってた。
廉が恥ずかしがり屋なのは。
だけど……いつか…、




.




そんなに遠くない私の家。あっという間に着いてしまった。



「送ってくれてありがとう。じゃあ、また明日。気をつけてね」
「あ…う、ん」



階段を一段登っていて廉と同じぐらいの高さ。
私たちの間には、門があって…ここで、好きな人とキスするのが女の子の憧れ。
多分、廉は恥ずかしがり屋だから…そういうの無いんだろうな。
半ば諦めていたとき、



「名前っ!」
「ん?なにれ、…!」



廉に呼ばれ、振り返れば、不意打ちキス。
長い間、触れるだけのキスをした私たちは、どちらからでもなくゆっくりと唇をはなしていった。
ぽかんとしていたら、廉が顔を真っ赤にして立っていた。



「廉!好き!」
「名前、!」




あなたからキスして


(阿部ー、三橋がちゅーしてるぜー)
(何っ?!)




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