大人しくなったリンと暮らし始めて、月日は流れた。
あの日、連れてきた時は、鍵を閉めた瞬間に部屋の隅で小さくなって「たすけて」「だれか」と泣いていた。なんだあの泣き顔は。あの歳で俺をまだ煽るのか?とも思ったが、先に立場と、約束を破るとどうなるか教えなければ、と躾がわりに床に蹴倒して殴りつけた。嘘つきはよくないと。お前には俺以外にいないと。
鼻血と涙でぐしゃぐしゃに泣いて、俺の下で弱々しく謝って震えるリンの姿は、やっぱりどんな弱いやつをヤッた時より、満たされて、興奮した。
それ以来、リンは俺に従い、俺の行動を意識してか、ついてまわるようになった。その不安そうな顔がまた…たまらなく早く手を出したい気持ちになるが。

「(別に俺は、小児性愛の方の趣味はなかったんだがな)」

社会の弱者の代表のような、子供を痛めつけるのは元から好きだったが、性愛を抱いたことはなかった。今も別に、他の子供にそんな異常な気持ちを抱くことはない。確かに気持ちよくぶっとばして、壁に叩きつけたりは是非したいが。それだけだ。
だが、リンのことは毎日痛めつけるたびに、それだけでは足りなくなった。どうして年齢差に、こうも社会は厳しいのか。死ぬまで虐めて愛でてやるしかないと思った女が、まだ子供だっただけじゃないのか?おかげで、できないことの方が多いのは考えものだ。

ぱちん。
「みっ!!」という子猫の抗議のような声で、後ろから抱きこんで切っていたリンの手の爪が想定より短くなったことに気づいた。

「ああ…考えごとをしていたら深爪にしてしまった。痛いか?」
「い、たくないです…」

そういったところだ。
その弱いのに必死に繕う健気さが、じくじく痛むだろうに耐えようとする顔が、俺にお前を女にしか見えなくさせたんだ。こんなにも離しがたい愛しさと、汚したい興奮を感じさせるんだ。
もしも、この爪を1枚無理やり剥がしたらもっとイイ顔をしてくれるか?かなり興味はあるが、まだ週の半ばだ。明日も出社しなければならない。そのためには今から満足するまでいじめることより睡眠を優先するしかない。サラリーマンは、本当に不自由だ。
爪切りを置いて、まだ膝の上で震えているリンの肩口に顔を埋めて、軽く噛む。細い身体が跳ねるせいで、ぐっとくるものがあるが熟すまではまだ、ここまでだ。

「ぁ、っか、かまれるの、いたい…ですっ」
「寝る前に、噛みたくなった」
「な、んでっ…ん、いっ」

…強くなる成長は望まない。望まないが、何故、お前は俺と12も離れているんだ。

next?
10
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