銀魂連載 | ナノ
B



桂が去った後、部屋の中で煙管を口に付け、ゆったりと座っていた。

外から爆発音が響く。


「あぁ、爆発したね。まぁ...銀時は生きてるだろうから心配はいらない、か」


呟くように言って、煙をふぅっと吐き出した。

紫煙が天井に消えようとしたとき部屋に

真選組の隊服を身にまとった二人の男が刀を持って現れた。

その姿を見止めると、にっこりと笑みを浮かべた。


「やぁ...トシ、総悟君」

「おまっ...朔夜!?なんでここに...」

「朔夜さんじゃねーか」

「やれやれ・・やはり気づいていなかったかい」


二人の言葉に大げさに肩をすくめるが、少年と呼べるような男、沖田総悟の言葉でハタと止まる。


「いえ、俺は逃げた時から気付いてましたぜィ」

「...え?」「マジでか」

「マジでさァ」


こともなさげに沖田は答える。


「なのにバズーカ撃とうとしたのかい?」

「ていうか、気づいたなら言えよォォォ!!!」

「いやー、てっきり土方さんも気づいてると思ってやしたもんで

ついうっかり」

「うぐっ...」


二人の大声にも動じない。


「卿、絶対わざとだろう!?」

「人を疑うのはよくないぜ朔夜さん。別に、痛みにうめく朔夜さんが見たかったとかそんなんじゃないから」

「卿はどれだけSなんだい!?」

「体で確かめてみますかい?朔夜さんなら大歓迎でさァ」

「待てェェェ!!おいコラ総悟!!朔夜に手ェだしたら、その場で切腹だからな」

「軽い冗談でさァ土方コノヤロー」

「よーし分かった。今すぐ解釈してやるよ」


額に青筋を浮かべて刀を抜こうとする土方を急いで止める。


「待て待て待て。頼むからこれ以上、小生のバイト先の一つで問題を起こさないでくれ。知り合いと分かれば、クビになる可能性が高まる」

「チッ...仕方ねぇ」

「分かりましたぜィ。なら行きましょうか」


ガシャン

総悟の言葉とともに朔夜の白い手首に手錠がはめられた。


「...総悟君、総悟君」

「なんですかィ?」

「何故、小生に手錠をかけるのかな?」

「桂と一緒に逃げた容疑者の一人だからでさァ」

「イヤイヤイヤ、少し待ってくれ。人質とは考えないのかね、卿は?」

「朔夜さんは、人質にされるほどか弱い女じゃないんでね」

「実に喜ばしくない解釈なのだが...トシからもなんとか言っちゃくれませんかね?」


冷や汗を流しながら小生は土方の方を見た。


「よし総悟。そのまま連行だ」

「ヘィ」

「ちょっと待てェェェ!!」

「諦めなせェ、朔夜さん」


ずるずると引きずられながらも必死の抵抗を試みる。


「いやいやいや!この状況オーナーに見られたらクビだぞ!?」

「別にクビの一つや二つで騒ぐもんでもありませんぜ」

「騒ぐよ!命にかかわるから!」


その時だった。下の階からオーナーが駆け込んできた。


「なになにィ!?何が起こったのコレェェ!!吉田さん!これはいった...」

「げ」


今の状況といえば、

真選組幹部の二人に手錠をかけられ、

今にもしょっ引かれそうな状態の犯罪者といった構図にしか見えない。


「...吉田さん...まさか」

「い、いえ!オーナー!!これは...「君、明日から来なくていいよ」

「え...えェェェェェ!!!??ちょっとォ!!オォォナァァァ!!」


叫びは空しくも無視され、小生は引きずられていった。


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