銀魂連載 | ナノ
第三十三訓 美味いものほどあたると怖い。というか腐ったものは食べちゃダメ




「(今日はフルーツの盛り合わせ...)」


松平の旦那が、色々やらかしてくれた日から数日がたった。

小生は、あの日以来長谷川さんとエリーの見舞いにできるだけ行くようにしている。

直接的に何かしたわけではないが、すごい罪悪感が残っているからだ。

今日もまた、仕事先から直接病院に向かっている最中だ。

そうしてフルーツ籠を二つ持って歩いていると、道の先に万事屋兼スナックお登勢が見えてきた。

すると店の前から、一台の救急車がサイレンを鳴らしながら走り出して行ったのが見えた。


「!(あれ...一体誰が...!)」


まさか、万事屋3人の誰かに何かが...!

そう思い焦って、救急車を見送っていた煙草を二人して吸っている、お登勢さんにかけよった。


「...ったくバカばっかりかい」

「お登勢さん!」

「!おや、朔夜じゃないかい」

「救急車が出て行ったみたいですけど何かあったんですか!?」

「いや、そんなに心配すること無いよ。あの上のバカ3人とキャサリンが、捨てるの頼んだ腐ったカニを勝手に食べて、食中毒になっただけだからさ」

「...まさかこの前おすそ分けしてくれたカニですか?」

「あぁ、残りは冷凍庫が壊れて全部いたんじまってね」

「...」


......腐ってるカニ食べるなんて...バカか、と呆れる前に涙が出そうなんだけど

...一人と一匹のお見舞いついでにそっちも様子を見に行こう。

そう決めて、小生はお登勢さんに別れを告げ、病院へと再び歩き出した。


***


「また来ましたけど、大丈夫ですか...って、あれ?」

「えっ、朔夜さん!?」

「!朔夜!?」

「どうしたネ?その果物私達に見舞いアルか?!」


病院につき、エリーと来ていた小太郎にフルーツ籠を見舞い品で渡した後、

長谷川さんの病室にもう一つ持ってきていた籠を渡しに行けばそこには長谷川さんではなく

あとで捜しに行こうとしていた、食中毒にあったとは思えないくらい元気な万事屋3人の姿があった。

そして目があった瞬間、新八君と銀時が近づいてきて、食中毒の直後なのにご飯を食べている神楽ちゃんが話しかけてきた。


「いや...三人とも、この病室だったのかい...というか、食中毒だって聞いてたけど元気だねェ」

「あはは...でもこうなったの銀さんのせいなんですよ」

「そうアル!騙されたネ」

「んだと!お前らもノリノリで食ってただろうが!」


そういって枕をひっつかみ新八君に叩きつけた。


「そんなことありませんよ!なーにが、食べ物は腐る一歩手前が一番うまいだよ!完全に腐ってたじゃねーかァ!!」


新八君は自分の点滴の台をつかみ、銀時に向けた。


「ちょっえっ二人とも...」

「なんでも人のせいにしてんじゃねェ!!男は十六過ぎたら、自分の胃袋に責任をもてバーカ!」


というか変な匂いとかするから分かるだろうに...

そう思って二人を遠い眼をしつつ見ていると背中の入口の方に看護婦さんが来たのか、神楽ちゃんがおかわりを頼んでいた。

それに振り返れば、そこには長谷川さん担当の看護婦のウッチーと、包帯だらけの長谷川さんがいた。


「あっ朔夜さん、また長谷川さんのお見舞いですか?それから長谷川さん、この人達は、今日から入院(はい)った人達、仲良くしてね」


いや、長谷川さんも小生も全員滅茶苦茶知り合いです。


***


そして不毛な争いを収め、ベッドにつらそうな長谷川さんを、椅子や隣のベッドに三人を座らせ、

ウッチーに知り合いである旨を教えて、長谷川さんが入院してる理由を3人に話した。


「へェーじゃあ皆さん、朔夜さんと長谷川さんのお友達なんだ。フフ、よかったね長谷川さん。これで入院生活もさびしくないじゃない」

「(いや、いない方が静かに療養できるよウッチー)」

「止めてくれ内野さん、コイツらとはただの腐れ縁」

「ちょいとちょいと、今腐れだとかそうゆう言葉に敏感だから。やめてホント」

「自業自得だよ、それは」

「まだギリギリ食えると思ったんだよ。しかし長谷川さん、アンタもつくづくツイてねーな。謎のオッさんに襲われたって?

この管理社会においてさァ、謎のオッさんに遭遇すること自体稀有だぜ」


もっさもっさ


「ねェ、なんで人の見舞いの品あたり前のように食べてんの?朔夜さんが俺に持ってきてくれたんだけど」

「長谷川さん見てたら食中毒如きで苦しんでた自分がバカらしく思えてきましたよ」


もっさもっさ


「アリガトネ、バナナのオッさん」


もっさ


「いやバナナのオッさんじゃなくてオッさんのバナナだからそれは」

「というかよくバナナなんか食べれるね」

「本当に、食中毒になった直後にモノ食べれるなんて元気な人達ね。長谷川さんも負けてられないわよ。いっぱい食べて、元気モリモリにならなくちゃ」


もっさもっさ


「なんで元気モリモリの人が食べてんですか?」

「(...この子、なんかあったのかな?こんなことするはず無いんだけど)」


するとバナナを食べ終わったウッチーが仕事に戻るために部屋から出て行った。

そのさい扉に頭をぶつけていたが大丈夫かな?あの子ドジみたいだから。

そう思っていると新八君がウッチーの出て行った方を見て呟きだした。


「...銀サン、やっぱりナースっていいですね」

「例えばさァ、7点の娘がいるとするだろ?だがナース服を着ることによってこれが10点になる(朔夜のナースが一番に決まってるがな)」

「マジすか。じゃあ、私がナースになったら大変アルヨ。一体何点アルカ?」


いつの間にかナース服に着替えた神楽ちゃんを振り返り、二人は答えた。


「「3点」」

「コルァ、どーゆ事だ。ゼロからの出発か?逆境からの出発か?コルァ」

「二人とも女の子に失礼だよ」

「全くネ!レディを何だと思ってるアルカ!」


そう言って銀時と神楽ちゃんの間に立っていた小生のお腹に抱きついて、ぐりぐりしてきた。

若干息苦しいのは、彼女が夜兎だからだろう。


「いや、だって本当だし。まだガキだぞコイツ」

「それでもだよ。全くそんなんだから...」

「うるせーな。つーか俺は――」


ぐいっ ぽすっ ぎゅっ

そこまで言割れたと思ったら、銀時により腕を掴まれて神楽ちゃんが離され

銀時の膝の上に横向きに座らせられて、顎を掴まれ持ち上げ視線があった。


「朔夜、お前のナースが一番見たいんだよ。そして見た上でベッドにそのまま押し倒したい」(きりっ

「珍しくきりっとした顔で何戯けたこと言ってるんだい...」


ほんっとにエロ親父じゃないんだから。見境なしは止めなよ。

大体着たってたいして似合わないんだし。

呆れた視線でそう返せば不機嫌そうな顔をされた。


「(本当に相変わらず全然分かってねーなコイツ)」

「?」

「(絶対ナース似合うんだろうな。滅茶苦茶可愛いに決まってる。つーか可愛くないわけがねェ。白衣の天使通り越して女神だろ絶対みたいな)」


つぅ...


「銀時...?」


支えるように小生の背中にまわされていた銀時の腕が動き、親指が小生の唇に触れてなぞった。


「(あー着せてみてェ。さっさと俺のになってくんねーかな...いや既に俺のモン同然みたいなぐらい一緒にいるけどよ)」

「?銀時、ちょっ――」

「私のマミーにセクハラするんじゃないアル白髪ァァ!!」


ドゲシッ

銀時の顔に神楽ちゃんの拳がクリティカルヒットした。


「!」

「ぐはっ!!」


そして慌てて離れれば、椅子から落ちて地に沈んだ銀時であった。というか今のなんだったんだろうか?

飢えてるのかな?でも妹分に発情しちゃ駄目だろう。

そう思いつつ、大丈夫かと心配して、再び抱きついてくる神楽ちゃんの頭をなでたのだった。


***


「どーもおかしい」

「あ?」


しばらくして、復活した銀時と長谷川さんと病院内のリラクゼーションルームへと来ていた。

そこで煙管をふかしながら、二人と話しているとそんな話題になった。


「もしかして...ウッチーのことかい?」

「あぁ、元からちょっとドジなところはあったんだが、最近は何かボーとしててな。人のバナナ食べたりとかそうゆうことする娘じゃないんだ、ホントは」

「なんだァ、まだバナナのことひきずってんのか。チンパンジーの生まれ変わりかお前は、コノヤロー」

「バナナのことじゃねーよ!!なんか調子でも悪いのかと心配なの!」

「ふーん...と、噂をすれば...」


煙管を消しリラクゼーションルームから3人で出て歩き出した時、

行く方向の一つの病室の前でウッチーが中をうかがいつつ、立っていた。


「何やってんだアレ?顔まっ赤にしちゃってどーしたんだ?病室覗いてるみたいだが...」

「ははーん」

「おやおや...長谷川さん。これは病は病でも別の病かもしれないね」

「そうっぽいな」


近づいて、廊下の角で見ながら言えば、否定された。


「オイオイ、まさか。見ろよ。ジーさんだらけじゃねーか。恋煩いなんてありえんよ」

「ファザコンだよファザコン。しわだらけの玉袋見てたら、死んだ親父の顔思い出したんだよ」

「なんで玉袋!?顔でいいじゃん!!お前は玉袋って言いたかっただけだろ!」

「でも年上好きというのも世の中にはいるしね...(しかし確かあの病室には...)」

「年上って、もうすぐ雲の上見たいな人たちばっかりだからね!?」


すると病室の中を見ていた長谷川さんが、病室の奥に何か見つけたようだった。


「うおっ!!なっ、なんだありゃ!?なんか変なのいる!!」

「あれ?ありゃ確か...」

「(あ、やっぱりここエリーの病室だ...っていうことはまさか...!)」

「!!ヅラぁぁ!!」

「ついに小太郎に春!?」


すると声に気付いたウッチーが此方に振り返って来て、ばっちり目が合った。


***


そしてちょっと話そうと、屋上に連れて来られた。

空はいつの間にか日が暮れて赤焼けになっていた。


「もぉーズルイよ。後ろからこっそり見てるなんて......まァバレちゃ仕方ないか...そうなの。好きなのあの人のこと」


マジかい。いやでも、確かに顔はいいからね...


「なんにもしらないんだけどね...担当でもなんでもないし。でも前に、廊下ですれ違った時、まっすぐでスゴクきれいな眼をしていて

気がついたらいっつもあの人のことばかり考えるようになっちゃって」

「ウッチーよ。こういっちゃなんだが、奴ァヤバイぜ。ああ見えて指名手配...」

「いいの!」

「!ウッチー...」

「いいのよ。なんとなくわかってるから。あの人は私なんかが近づいちゃいけない、別の世界に生きてる人だって。それに...もう会えないし。明日退院するの」


そういえばエリー明日退院って言ってったな...って、ん?退院はエリー...あ、でもそしたら小太郎も来なくなるからそういう意味だよね。


「このまま何もしらないままで......キレイな思い出のままで.........胸にしまっておくつもり」

「...いいのかよ、それで」

「...三人に話したらなんかスッキリした。アリガト」


そう言い残し、ウッチーは出て行った。

小生たちも後味の悪さに顔を見合わせた後、病室に戻ることにした。

そして病室に戻ってきた小生達は、残っていた新八君と神楽ちゃんにも事の次第を話した。


「朔夜さんの話によると、どうも桂さんはエリザベスのつきそいで来てるだけみたいですね」

「そうなんだよ...」

「エリザベスも謎のオッさんにはねられたらしいアルな」

「謎のオッさんだらけじゃねーか。もう謎じゃねーじゃん。ただのオッさんでいいんじゃねーのか」


一応はねた人は、ただのオッさんと言うか警察庁長官なんだけどね。

そしてオッサンの話に脱線していったのを長谷川さんが元の路線に戻した。


「銀さん、朔夜さん。アンタらあのロン毛の知り合いなんだろ。なんとかならんもんかね?」

「キューピッドになる気かい?」

「カミさんに逃げられたキューピッドの矢なんざ、ティッシュも射抜けねーよ。ポッキーだよポッキー」

「ハツのことは言うなァァァ!!」

「大体あんな堅物説き伏せるなんて無理だよ無理。カッチカッチだぜ、中学生だぜ。それに俺ァ、奴に借りつくるのはごめんだしな(どうせアイツ朔夜を諦めねーだろうし)」

「おめーら俺のコンビニ潰した貸しはいつ返してくれんの?」


その瞬間三人が、冷や汗を流して明後日の方向を見た。

...分かりやすいね。


「...不幸続きでやさぐれてた気持ちを、あの娘にゃ大分楽にしてもらったんだよ。

あの娘にとっちゃ仕事の一つだったかもしれんが...色々元気もらったんだよ俺ァ。

俺ももうすぐ退院だし、何か返せるものがあるならよ...それにお前よォ、いい女は幸せにならなきゃいけねーもんだ」


...ま、そういうことなら、手伝ってあげようかな。

小太郎も彼女ができたら落ち着いてくれるかもしれないし

そして小生達は、キューピッドになるために作戦を考えだした。


***


そしてしばらくして――それぞれ医者と看護婦の恰好をした小生達はエリーのいる病室前にきていた。


「じゃぁ皆、作戦決行の準備は良いかい?」

「いいですけど...本当にばれませんかコレ?朔夜さんにいたっては、眼鏡もかけないで髪上げて化粧してナースのコスプレしてるだけですよ?」

「女は化粧で化けるっていうし、大丈夫だよ。小太郎だし」

「そーだよ。それに可愛いじゃねーかこの方が。満点ぶっちぎったよコレ。後でちょっと俺と個室行こうぜ」

「そういうのはイメクラ行きなよおにーさん。とにかくそろそろ行くよ、ホラ、打ち合わせ通りにさ」

「...へいへい」


そして銀時が、エリーに話かける小太郎のもとに向かう。


「――石橋を叩いて渡る程度では今の物騒な世の中渡っていけんぞ。石橋はバズーカで撃って渡れ」

「...うむ、若いのになかなかいい心がけだ」

「!」


小太郎がこっちを見てきた。


「でもまだ甘いな。なァ長谷川君、吉田君。ババアがつくる卵焼きより甘いな。なァ長谷川君、吉田君」

「「そーですね、先生」」

「石橋をバズーカで破壊した後、隣のコンクリで出来た橋をジェット機で渡るくらいじゃないと。なァ長谷川君、吉田君」

「先生、それはもはや橋を渡っていません」

「先生、それはもはや諺になっていません」

「...というわけでどーですかお兄さん、健康診断とか受けてみない?」


そして、渋る小太郎をつかみ、引きずるように誰もいない診察室に連れていき、座らせる。


「オイ離せ、結構だといっているだろう。俺は自らの身体をかえりみている暇などない。国の病を治すのが俺の役目だ」

「なーにいってんのお兄さん。ちょっとコレ見なさい...」


そして医者に扮した銀時が、一枚のレントゲンを見せる。


「コレ、さっき撮った君の脳の写真だけれどもね」

「そんなもの撮った覚えはないぞ」

「さっき撮ったんだよ、パシャリと。なァ、長谷川君、吉田君」

「パシャリって何だ。そんなスナック感覚で撮れるものなのか長谷川君、吉田君」

「撮れますよ〜(撮れるわけないじゃん)」


撮れたら医学界の革新だよ。まぁそのうち作って見せるけど。

そう思っていると銀時が、レントゲンの黒点を指差した。

するとそれが、どうやら油性でなく水性マジックで書いたものだったらしく、のびてしまった。

すると小太郎がグダグダっぷりに不信感を露わにし、帰ろうとしたがそれをなんとか新八君と長谷川さんとで止める。


「あの...このマジックはアナタの脳の異変を分かりやすく図示しただけです!!」

「そ、そうですよ!今、こた...アナタの頭の中大変なことになってるんですよ!」

「このまま放っておけば近日中に間違いなく頭が、あの...アレ...パーンってなりますよ」

「「(なにそれ)」」

「速やかに入院しないとアナタ、パーンですよ」


どんな病気だよ。頭パーンって


「......頭パーンだと。ふざけるのも大概にするがいい」

「「「(ヤバイ!!ばれたか!?)」」」


流石におバカさんの小太郎でもだませな...


「国を救う大仕事を前にたおれてたまるか。なんとか治してくれ!!」

「「(...あ、バカだこの人)」」

「...(ダメだ...あ、いや今はよかった。流石のバカだった)」


そう思いつつ入院する様に勧めれば、入院してる暇ははないからすぐ直してくれと言いだした。

それを受けて銀時が神楽ちゃんに何かを用意させだした。


「じゃあとりあえずゼントゲンとるからこっち来て...ゼントゲン?ゼントゲンって何だ長谷川君、吉田君」

「「知るかァァァ!!自分の言葉に責任もて!!」」


こっちが知りたいよ!!


「まァアレだ。病巣を叩く強力なマシーンだ。とりあえずマシーンの中に入れ」


そういって指した方向には神楽ちゃんが持ってきた神オムツのダンボールだった。


「どれがマシーン!?まさかアレかァァ!?」

「(流石に突っ込むよね!そうだよね!)」

「いいから入れっつってんだヨ!!ほァたァァァ!!」


ガボォ


「ぐはっ」

「オラ今だ!しばらく退院できねー身体にしてやれェェ!!」

「もう趣旨変わってるじゃないかい!!」


その時、騒ぎを聞きつけたらしいエリーが銀時を飛び蹴りした。

すると銀時がふっとび、その衝撃で、牛乳瓶の底のような眼鏡がとれてしまい顔があらわになった。


「銀時ィ!!」

「げっ」

「貴様ァこんな所で何をしている!!それに...そしたらまさかそっちの吉田は...」

「あ、あはは...ごめんね、小太郎」

「やはり朔夜かっ!どこかで嗅いだ事のある花の匂いだと思っていたが!」


犬か己は。普通どこかで見た顔だろう。

そう突っ込んでいる間に、残りの三人が小太郎をぼこりに向かって、全員で乱闘が始まった。

小生は乱闘に参加する気はないので、隅っこによって見ていた。

すると、別の厳しそうな看護婦がきて、乱闘していた全員をまたたく間にぼこぼこにした。

...参加しなくてよかった...!!

そして結局、小太郎を含めた全員の入院が伸びたのだった。

そして翌日、全員で屋上に来て話していた。

するとついに内野さんがついに告白して結ばれたということを長谷川さんが話した。


「マジかよあのヅラがね〜...(アイツ朔夜をついに諦めたか...よっしゃあ!)」


すると真下に見える庭に内野さんがやってきたのが見えた。


「あー見ろ。ホレホレ、噂をすれば」

「ふふ、楽しそうだね(これで小太郎も落ち着いて...)」

「いや〜〜若いってのはい......」


そして手をつないでる彼氏の方を見たら、それは小太郎ではなくエリーだった。


「...ねぇ、理解を超越したことが起こっているんだがね...どういうこと?」

「まっすぐな目をした、違う世界を生きる彼氏アルヨ」

「...あーなるほどそーゆーこと...」

「そーきたかー...ハイせーの」


ドサッ

あまりの予想外の展開に全員でその場でずっこけた。

...まさか小太郎じゃないとは...まだまだ皆、結婚できなさそうだな...


〜Next〜


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