銀魂連載 | ナノ
A



「いけェェ局長ォ!!」

「死ねェ副長!!」

「誰だ今死ねっつったの!!切腹だコラァ!!」


恐いもの知らずな...

そう思いながらも小生は少しワクワクしながら新八と退の隣に座っていた。


「えー勝敗は両陣営代表3人による勝負で決まります。審判も公平を期して、両陣営から新八君と俺、山崎が務めさせてもらいます」

「(わくわく)」

「勝った方は、ここで花見する権利+お妙さん+朔夜さんを得るわけです」

「何その勝手なルール!!あんたら山賊!?それじゃ僕ら、勝ってもプラマイゼロでしょーが!」

「というか何故小生まで賭けの対象に入っているんだね!?」


小生が聞いてないうちに勝手なことを!


「じゃぁ君らは+真選組ソーセージだ。屯所の冷蔵庫に入ってた」

「要するに只のソーセージじゃねーか!!いるかァァァ!!」

「小生は無視なのかッ!!」

「ソーセージだってよ気張ってこーぜ」

「オウ」

「バカかー!!お前らバカかー!!」

「ソーセージでやる気出すのか!?」


そしてつっこみ虚しく、戦いは始まった。


***


近藤の旦那と妙の戦いは簡単に終わった。無論、妙ちゃんの勝ちだ。

というか妙ちゃん、ルール無関係に殺りたかっただけだな...

次は、神楽と総悟の戦いだが...と思ったらもうすでに二人は始めていた。

だが途中から只の殴り合いに発展していた。

...ゲームとはルールを守って遊ぶものでは?


「しょーがない、最後の試合で決めるしかない!銀さっ...」

「「オ゛エ゛エ゛!!」」

「オイぃぃぃ!!何やってんだ!!」

「卿らは何をしているんだい...」


最後の試合の二人は、飲みすぎたらしく思い切り吐いていた。


「このままじゃ勝負つかねーよ!」

「心配すんじゃねーよ。俺ァ、まだまだやれる...ひっく...シロクロはっきりつけよーじゃねーか」

「(銀時、ふらふらだよ)」

「このまま普通にやってもつまらねー...ここはどーだ、真剣で“斬ってかわしてジャンケンポンにしねーか?!」

「上等だコラ」


...この二人はバカだと思う。いや、前から知っていたけども


「お前さっきから『上等だ』しか言ってねーぞ!俺が言うのもなんだけど大丈夫か!?」

「上等だコラ」

「(いや、明らかにダメだろう)」


小生の心の声は届かず、二人はふらふらと向かい合う。


「いくぜ!」

「「斬ってかわして」」

「ジャンケン」

「「ポン!!」」

「(あ、銀時の勝ち...)」


そう思った時にはザンッと銀時が刀を振っていた。

しかし、斬れていたのはトシではなく桜の木だった。


「心配するな峰打ちだ」

「(銀時、それは峰打ちじゃないよ)」

「まァこれに懲りたら、もう俺と朔夜にからむのは止めるこったな」

「てめェさっきからグーしか出してねーじゃねーか!」

「(トシ、それは定春だから当たり前だよ)」

「ナメてんのか!!」


ギャーギャー


「...」

「お互い妙な上司がいて大変ですね」

「いつもご苦労だね二人とも」


退と新八君がかわいそうに...


「一緒に飲みましょーか、グチを肴にして...あ、朔夜さんも一緒にどうですか?」

「ああ、ご一緒するよ」


そして小生は久々に大勢で楽しい酒を飲むことができた。

あぁ、たまにはこんな花見も風情があるねェ…

青空に枝を広げる桃色の桜を見ながら、小生は微笑んだ。



ああ、今年は良いことがありそうだ。



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