Two!




気になっていた彼が学校に転入してきて、同じクラスの横の席になったのは、私の幸運だったのかもしれない。


「こんにちは…ヴェルサス君、隣に引っ越してきた人だよね」

「…お前、ハローリオさんちの子だろ?この前、窓のとこにいた」

「やっぱり!目があったと思ったの…よかったら、あとで学校の中とか案内してあげる。私はキティ、よろしくね」


そうして握手を交わした日から、私たちの長い付き合いは始まりを告げた。


***


「ああくそっ!また雨漏りかよ…」

「ふふ、仕方ないわ。天井が抜けないだけありがたいわよ」


上からしたたり、バケツの中に落ちる雨水を見ながら笑えば、隣のヴェルはいらだたしげにため息を吐き出した。


「天井が抜けたら大家を殺してやる」

「あらあら、ヴェルったら…物騒なんだから」

「冗談じゃねーからな。高い家賃払わせやがってこれかよ…」

「はいはい、機嫌をなおして。温かい飲み物でもいれるわ。なにがいい?」

「…コーヒーでいい」

「わかった。待っててね」


ヴェルの頬にキスをして、頭を撫でてキッチンに。

入った瞬間、思わず高い声をあげる。


「きゃあヴェルーッ!ネズミ!!」

「なんだとッ?!待ってろキティ!!」

「早く追い出してえ!」

to be continue…


 

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