Step.09

「フン、他愛のないものよ。ミシェルはまだ私には追いつけまい......つまり残るはエリナ・ジョースターただひとり...あの老婆は赤子を殺すより......」

「お前の次の台詞は、『赤子を殺すより楽な作業よ』...だ!」

「楽な作業よ...ッ!?」

「...フン、貴方の格好つける癖は治っていませんね...ストレイツォ」


驚いた顔をするストレイツォに、ジョセフと2人でニヤニヤと笑う。

そうやすやすと倒される私たちではない。


「さらにオメーは『こいつらはなぜ穴あけられて生きていられるんだ?』...という」

「こ...こいつらはなぜ穴あけられて生きていられるんだ?...!!」

「ストレイツォ!お前チベットのドいなかなんぞに引っ込んでねーで、アンタんとこでミカエルが修行終えたあと一緒に都会にきて、揉まれるべきだったな!」

「流れる世間に置いていかれることは、脳の成長を自ら止めることに等しいものですよ...ストレイツォ。よく見てみなさい、時計の文字盤を」


反対向きになっている時計を指してやれば、ストレイツォはようやくどういうことか気づいたようだった。


「...私達ブラウン家が、先代達の短くも濃度の高い過去を知り、育まれた失敗も成功も叡智として繋ぎ...世代を超えて生かして提供し続ける一族だということをお忘れになりましたか?」

「だから聞いていたぜ!俺のじいさんは目から飛び出す得体の知れねえ能力に死んだってな!」

「鏡かッ!」

「気づくのが遅いんだよアホレツィオ!!」

「大人しくやられていただきましょう!!」


振りかぶった鞭をやつの首に巻き付けると同時に、ジョセフが機関銃の持ち手をストレイツォの頭に叩き込んだ。

そして私は習得した波紋を、ジョセフは生まれつき手にしている波紋を各々の武器からストレイツォに流し込んだ。

「くらえ!ブッ壊すほど......」

「2度と蘇れないように...」

「「シュートッ!!」」


全力の波紋に、店内が白くなるほどの光が走った。


to be continue...