「(速さはストレイツォのがやはり上...!アメリカについてしまった...!)」
追い続け数ヶ月。
明々と光る街明かりが眩しい夜の街。
この地に付く前にあの人を同じ存在の私が、止めなくてはならなかったのに。
「なんてこと...!ミカエル、ジョセフ様...!!」
この街に来ているはずの愛し子たちに魔の手が届く前にと再び闇夜を駆けようと、人工的に固められた大地を蹴った。
***
「...(あれからもうしばらくか...時が経つのは早い...)」
「兄弟!お前も見てみろよ!」
「...胸のカップ数を詐称する器具くらいでなんですか...」
「いやいやけっこー大事なことだってミカエルさん!」
「スモーキー貴方まで...大体私は胸より...」
「おいミカエル」
「今度は何ですかジョセフ?」
「...ちょっと外みてみろ」
「?...!」
長い黒髪。精悍な顔つき。
見覚えのある姿より遥かに若いが、爛々と光る赤い瞳は呪われしお祖母様と同じですぐに若い理由など解決した。
間違いない、奴だ。
憎しみと怒りと少しの悲しみで瞳を細めてジョセフと目配せをし、二人して立ち上がり外へ出る。
対峙した奴の薄く開いた口には、ちらりと光る牙が見えた。
ああ、この人は、この男はやはり、我々全ての信頼を裏切ったのだ。
「貴方...見覚えがある気がするんですが...さて、どちら様でしょうか...その赤い目も、うちのお祖母様と不思議とそっくりで...」
「ねえ!なんでこんなに寒いのに白い息が出ないんだ?そしてあんた今チラッと口の中に牙が見えたような......見えないような」
「......」
「「とぼけんなこの野郎」」
沈黙を貫く男、ストレイツォにそう吐き捨てれば、ストレイツォはにやりと笑った。
その顔に、やりきれない怒りがこちらもこみ上げてくる。
「街中だろうがかまわんジョジョ!お前の命をもらう。"才能"が目覚めんうちにな...ミカエル!邪魔をするだろう貴様もだ」
「ほう、そうかい」
「それだけですか、言いたいことは」
ジョセフは隠し持っていた機関銃を
私はコートの裏側に仕込んでいた散弾銃を
奴に向けて同時に発射した。
客や通行人の悲鳴が聞こえるが関係ない。
この程度では奴は死なない。死ねない。
「ストレイツォ!来るのを俺達は待ってたぜ!この程度で貴様が死ぬとは思わねえが、スピードワゴンじいさんとミシェル先生の仇!宣戦布告だぜ!!」
「裏切り者め恥を知るがいい!その犯した罪を悔いろ!!どうして闇に手を染めたァ!!」
私達は、ミシェルお祖母様は、お前を信じていたのに。
to be continue...