Step.03

「…ジョジョ坊っちゃま、浮かない顔をしてらっしゃいますね」

「…ちょっとね」

「昨日ディオ坊っちゃまに…ダニーをお蹴られになられたことですか?」

「…それもだけど、なんだか……ううん、やっぱりなんでもないよ」


うつむいてからゆっくりと首を横に振られたジョジョ坊っちゃまに少しの不安を覚えつつ、まだ二人の関係は始まったばかりであるし必要以上の介入はと思い、言葉を選ぶ。


「…何かありましたら、このミシェルめもできることを…」

「大丈夫だよミシェル先生、ディオと仲良くなるためにも先生に告げ口みたいなことはしたくないし…先生の言う紳士の態度じゃないよ」

「…さようですか…ですが、気を張りすぎないように…」


せっかく兄弟ができると喜んでいたし、このしこりが後々まで仲に響かなければいいと思いながら、ジョジョ坊っちゃまの背中を見送る。


「(ジョジョ坊っちゃま…ディオ坊っちゃまと仲良くできるようになるかしら…)」


主にディオ坊っちゃまに歩み寄る意思があるのかに寄りますが…まだディオ坊っちゃまと直接話したわけではないし、私にはまだなにも言えない。

けれど二人の坊っちゃまが、幸福にこの先を生きれるように教養を与えるのが家庭教師の私の役目であり、私自身の願いでもある。

だから、お互いのことを尊重しあえる関係になって、お互いに幸せな人生を送っていただけるように、私は私なりに力を尽くそう。

そう心に決めて、次に書斎の戸を開いて入ってきた彼に微笑み、深く腰を折る。


「…貴女が家庭教師の先生ですか」

「ええ、ミシェル・ブラウンと申します。今日からよろしくお願いいたします」

「…こちらこそ1日も早くジョースター家に相応しい人間になりたいので、御指南よろしくお願いします」

「こちらこそお力になれるように尽力いたします、ディオ坊っちゃま」


to be continue…