il flore


本当に、容易くて、無防備すぎる。

知り合いだからと、男を簡単に部屋にあげて

男からもらった飲み物を、なんの警戒もなく飲むとは。


「そこも可愛いところだがな…」


俺に凭れかかってすっかり深く眠り込んでいるラウラをソファに仰向けに横にする。

2人がけとはいえ、ラウラのサイズのソファだ。

俺には少々狭いが、やることをやるには十分だろう。

強い睡眠薬を混ぜたから起きることはないと思うが、気をつけるに越したことはない。

細心の注意を払いながら、服の中に手を入れ、肌に触れる。

暖かい配色の服の間から、微かに上下する温い白い肌が覗く。

女の肌を知らないわけじゃねえが、惚れた女というのを抱くのは初めてかもしれない。


「ラウラ…」


その目を開いて見つめてほしい反面、起きないままでいいとも願う。

焦がれたのは、俺でしかない。

ラウラは、俺に焦がれてはくれていない。

だからこれは、汚いやり方しか知らない俺が勝手にやることで

ラウラ、お前はなにも悪くない。

だから、何も知らないままでいい。

何も知らないで、メローネに変わらずに焦がれていてくれ。

ただ、深い眠りの中で受け入れてくれたらいい。


「…愛してくれなくていい…が、愛させてくれ」


見つけてしまったんだ。

この星に一輪しかない、俺のピンクのバラの花を。


to be continue…

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