ガットの日
「にゃあ」
爽やかな朝の寝起き一番。
目を覚ましたら上に跨って、裸に首輪をつけて、鳴いたメローネ。
何故部屋に入れた覚えがないのにいるのかとか、もうそういうのはいつものことだとしても
裸に首輪でにゃあ、とはどういうことなの。
理解は全くしたくないけど、とりあえず理解しないと人は先に進めない生き物なわけで、仕方なしに問うことにする。
「……なにしてるの」
「今日は2月22日でガットの日なんだにゃん」
「うわなにその語尾」
「だから君の猫になろうと思って。店は定休日だろう?」
「まあ…はい」
「俺も今日は仕事がない。だから1日俺は君のものだ!!さあ、感想は!?」
「ブォナノッテ」
もう今日は起きるのをやめよう。
布団を引っ張り上げて頭まで被って寝直そうとすると、ごそごそと私のぬいぐるみたちをどけて布団に顔をつっこんできたメローネ。
目の前でにんまりと笑って、鼻の頭にキスをしてすりよってくる。
「ちょっ…ほんと向こういって。というか帰って!」
「おいおいシエスタには早いぜ?ラウラ。それとも今日は寝ぼすけなマンモーナなのかにゃー?」
「その語尾やめてよぞわぞわする」
「快感で?」
「いやもううざさで…ていうか下も下着穿いてないの!?やだやだあたってる!!」
足にあたる嫌な感触に、ひいいと身を竦ませれば、嫌がる君の顔はディ・モールト・ベネ!!とますます押し付けてきた。
「いやああああもうわかった!起きればいいんでしょ!!構ってあげるから、せめていつものおかしな服は着て!!」
「ベネ!!飼い主様の言う通りにしてあげよう」
朝から疲れた…とため息を吐き出して、仕方なく起き出した。
今日は仕事の日より疲れそう…。
「(好意なのか嫌がらせなのかわかんなくなってきた…)」
end
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