Second Piatt
「ただいまー。任務終わったぞーって…」
「メローネェ!!!」
「うわっ!?」
陽も傾いて沈みそうな時間に、ようやく帰ってこれた。
ああ、今日は一度も俺のラウラの姿が見れてない。
胸が痛いな、家に忍び込みにいくかな、なんて考えながらアジトのリビングに踏み入った瞬間、思い切りホルマジオの肩を掴まれた。
「メローネお前って奴はよォ…!!」
え、なんかプロシュートまで来たけど?!
「今度はてめーなにしたんだよメローネ…」
ギアッチョ、俺がなにかしたの前提かよ。
いつもなら思い当たる節はないこともないが
マジでなんもしてない今日は!朝からお前と任務してただろ!!
「二人ともなに…」
「あんな美味い料理を俺たちに黙って一人で週1で食ってたのか!!」
「美味い飯食わせてもらいながらストーカー行為してたてめぇはマジで変態野郎だな!」
「は?…!まさかあんたらラウラんとこに行ったのかッ!?」
罵倒の中に覚えのあるキーワードを見つけて、そっちに食らいつく。
俺のラウラになにもしてないよな!?と肩を掴んでくる腕をつかめば、なにかしてんのはてめぇじゃねぇか!と怒鳴られた。
確かにそれは最もだが、俺のは愛があるから!!
「つうか何しに行ったんだよ!」
「お前が熱あげてる女がどんなのか見に行ったんだよ」
「そしたら予想に反してすげぇいい子じゃねぇか」
「…美味い飯食わせてくれたしな」
イルーゾォお前も行ったのかよ。
どうせこの分じゃ、プロシュートの後ろで頷いてるペッシも行ったんだろうな。
「ラウラがディ・モールト素敵な女なのは知ってるけどあんたらに関係ないじゃん。ていうかなんで食わせてもらってきてんの?」
「俺たちの腹の虫を聞いてよぉ…まかない飯作って持ってきてくれたんだよ」
「それが美味いのなんの…お前に追われてるのが可哀想になってきて、とても知り合いだなんて言えなかったぜ」
「俺も今日会ってないのにずるいぜ…でも…ふーん…やっぱ、あんたらからしてもラウラの飯はベリッシモ美味いんだな」
美味い、間違いない、という全肯定の言葉を聞いて、やっぱりラウラの才能はまちがいないんだと思案する。
他人に賛辞などそう贈らないやつらの胃を完全に掴んでいるあたりが、さすがは俺を惚れ込ませたラウラだ。
だけど可哀想な彼女の才能は、あの店、あの環境の中じゃ潰されたままなんだろう。
「…そっかー…やっぱそうだよな。うん。ディ・モールト美味いもんな」
「ああ、だからお前、手に入れるつもりなら逃がすなよ!」
「そして俺たちにも安定した食事を…!」
「ラウラを逃がす気はさらさらないけどね。あんたらに飯食わせるのは解せない」
でも、まあ、ラウラが欲しいのは確かだし、早くあの柔らかい身体を抱きしめて、でろでろに甘やかしたい。
そのためなら、他の命が1つ2つ散るくらいわけないはずだ。
だって俺のためだけでなく、他でもないラウラのためにもなることなんだ。
衝撃的なきっかけを与えてあげよう。
「(君はもっと可能性があるって教えてあげなきゃあな)」
to be continue…