嫁ぐ
「珠緒、お前戦で死んだんだったよな?」

「それがなに?信長殿」

「旦那はどうした。妻一人戦ったなんてこたァあるまい。

あっちに置いてきたのか?それとも死に別れたか」

「…夫がいたこと前提で話さないで」

「まさか…嫁いでねェのか!?29にもなって!?」

「独り身で悪い?」

「はー…意外なもんだな」

「意外かしら、いき遅れで」

「口うるせェが、見目もいい。おっぱいもやわらけぇ。

気立ても器量も悪くない。なにより飯も上手い!周りの目は節穴か」

「…殴る?」

「褒めただろうが」

「……あまり言われたことがないから、そういうの照れるのよ」

「ほぉ〜…愛いとこもあるなあ?」

「煩いわよ……どれだけ女の技量を磨いても、振り向いてくれなかったの。見て欲しかった人が」

「やっぱり節穴がいたか」

「……そうね、そうかもしれない」

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