浮気心
「珠緒、俺が浮気したらどうする?」


考えたくもない質問に、ページをめくる手も止まる。

でもこの美しい顔をした男は、仮定でもなんでもなく、昔からそれなりに他の女と遊んでいたことを思い出す。


「…それはすごく今更じゃない?」

「浮気はしてねェ。心はお前に預けてある」

「詭弁よそんなの」

「…他の女は身体だけだ」

「最低じゃないのそれも」

「…」

「なんで貴方が拗ねるの…拗ねたいのは私よ。心も身体も、貴方には私だけのものでいて欲しいのに」

私の全てが貴方だけのものであるのだから、同じように貴方の全てを求めるのは我儘?


「…つまり俺が浮気したら妬くんだな」

「妬くわよ。貴方1人を愛しているんだから」

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