文学青年
「…菅野殿は文学を嗜むの」
「あ?まあな、皮肉なもんだぜ。本もねえこっちにきてから
静かに本を読む時間ができちまったんだからな」
「…それは皮肉ね」
ふん、と鼻を鳴らした菅野殿に苦笑を返してから
もう一度、懐かしさに目を細めた。
「…(消えぬものもあるのね)」
なんとなく新選組という名を冠し
文芸を愛する人が未来にもいることが、嬉しくて。
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