ぜろに
「私のいた国はひどく寒いのです」
「だから?」
「だから、温めてもらえませんかね」
「いや」
「…ふう…尽くすのは土方だけにですか、貴女は」
「…」
「…生前の縁のため?あの男も私も同じくもう死んでいる身だというのに」
「…でも私がまだ、生きてるわ。そうである以上、あの人との繋がりは零にはならない」
「…なら、貴女をこの手で殺したらゼロになりますか?」
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