さぶらい
歳三は武士になりたかった。
生まれで地位が決まる時代の中で、武士に憧れ続けてた。
昔から。幼い頃から。
そして本物の武士より高い士道の理想を生きて、亡くなった。
だから…
「…豊…」
「ん?なんぞ珠緒」
「…武士って、いってくれるのね。あの人のこと」
「?無論、奴は日本武士ど。首をもげんかったんが惜しい」
「……感謝するわ」
「何故?」
「…とても、救われたから」
夢のためにたくさんの犠牲を払った、あの人の心も。
その背中を見守ってきた、私の心も。
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