「ただいまコルク」
「…おかえりなさいパパ」
ぎゅうと抱きついて顔を埋める。
濃い潮の匂いの中に、女の化粧の匂いはしない。
「…浮気は、しなかったんだ」
「してないよ。コルクが不機嫌になるからね」
「……ママに不誠実なのはよくない」
「気持ちまでうわつかせてないから」
ああ言えばこう言うと思いながら、そういえばと口を開く。
「パパの同僚は怖い」
「えっ!?なんかされた!?」
「黄猿さんは普通にゲスな人だし…赤犬さんは…なんか……変態……」
「ちょ、俺いない間に何があったの!?!?あのおっさん2人になにされたの!?!?」
「……赤犬さんには、もふもふされて…揉まれた…(肉球…)」
「なっ…!?」
パパが頭を抱えて、サカズキ殺すとか見損なったとか呟いてるけど、ここまで怒るなんて思わなかったな…
***
翌日
「サカズキ、ちょっと何も言わないで凍って。俺のために」
「?理由もなく凍らせられてたまるか」
「人の娘に手ェ出しといて何言ってんの!?お前も結局タンレイさんと同じか!!ロリコンが!!」
「その台詞の後半、そのままおどれに返るのを忘れるなよ。だいたいコルクに手を出すわけないじゃろうが」
「絶対!?触ってない!?」
「……人型には触っとらん」
「え、なにそれ」
「……獣型の肉球と毛皮が魅力的じゃっただけじゃ」
「……それ結局、変態じゃね?」
「変態じゃない」
「…」