薔薇風呂



「甘くていい匂いでしょう?」

「…ああ、悪くない」


湯船に散らされた赤い花弁がアヤの白い柔肌に張り付いて

ワシらのたてる波紋に時折、揺蕩う。

それが清らかなアヤをやけに扇情的に見せる。


「でも、半身浴じゃなくて大丈夫ですか?」

「…別にかまわん」


お前の前でだけは、一人の男じゃけェ。



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