ここのところ、身体がだるい。
いまは何も考えず仕事のことだけに集中していたいのに、強い倦怠感のせいで、身が入らない。
「(私、どうしたんだろう…)」
「…なに考えてんの?アヤ」
裸の私を抱きしめて横になるクザンさんに声をかけられ
ちゅ、と耳元に音を立てて口付けられた。
「…っ、ぁ…クザンさん……私…最近なんにも集中できなくて…」.
「…色々あって疲れちゃったんだよ、アヤは」
頑張りすぎて、でも報われなくて、心のエネルギーが切れたんだね。
ふにふにと、長い指で心臓のあたりを軽くおされる。
「んっ…そう、なんですかね…」
「…しばらくお休みとる?アヤ、最近まともに長期休みとってないでしょ…スモーカーからも、言われてるし」
「…スモーカーさんが…?」
「そ…なんかアヤがこの前、実家に一度帰りたいって言ったの聞いてたみたい」
「…そうなんですか…(スモーカーさん…)」
気にかけてくれて、優しいな。
そう思って少しほっこりしてると、クザンさんに身体をだき寄せられ、胸に顔をうめられた。
少しひんやりしたような、ぬるい吐息を感じて身をよじる。
「、…ぅん…」
「(スモーカーの名前、出すんじゃなかった)…アヤ…それで、地元帰りたい?」
「は、ぃ…帰りたい、です…」
「…わかった。明日、他の奴らにも言おうね。ちゃんと俺が味方してあげるから」
「ん…ありがとうございます…」
胸元にキスされる感覚を感じながら、クザンさんの頭をゆるく抱え込むように抱きしめた。
「(お母さんとお父さんのお墓参りができるなあ…)」
穴だらけの心を埋めに
(島を出て6年。島はどうなってるのかな)
back