「Trick or treat です !」
今日はハロウィン。
祭日に少しだけマリンフォード全体の空気も和やかで、本部の空気も緩み気味。
その中で笑顔で、見つけたばかりのクザンさんに両の掌を差し出せば
キャンディ、チョコレート、ラムネ菓子。
ばらばらと沢山のお菓子をのせられた。
とっても甘い匂い。ああ、嬉しくて心が跳ねる。
「こんなにたくさん…!ありがとうございます!」
顔を明るくさせてお礼を言えば頭を撫でられた。
「ハロウィンだからね。アヤならくるかなって」
うちのかわいい末っ子ちゃんだからね。
だから用意しといたよ。
その言葉に照れ臭くて、頬が少しだけ赤くなった。
「それに仮装も可愛いから、いつにも増して癒されるしね…そのお礼代も混みってことでね」
そう言って私の頭につけた白い猫耳を、物珍しそうに触ってくるクザンさん。
「まあ、可愛いなんて…」
「事実だからね。アヤは可愛いよ…猫耳とか反則」
「ふふ、ありがとにゃあー」
「!」
「なんて冗談ですよ」
「…あらら、お菓子あげたのに悪戯してくるなんてね」
やられたよ、と息を吐き出したクザンさんにまたくすくすと笑みを零した。
Sweet Assort
(次は誰にお菓子をねだろうかな)
(なんでアヤってあんな可愛いの?危なく抱き上げてキスしそうだったんだけど)