毒消草じゃないけど
「マゼランさーん今日はお腹大丈夫ですかー」
「あ、ああ…アヤか…今日は比較的平気だ…」
「そ、そうは見えませんけど…」
マゼラン署長の執務室に用があり、インペルダウンにきてみれば
相変わらず顔色が悪そうでお腹をさすっていた。
「大変ですねその体質…」
「まあ仕方ないからな…それより報告書だろう?」
「あ、そうです。先月の新規の入獄者の報告書を…あと、しっかりとどこに投獄されてるか確認しておきたいので、見に行かせていただきたいんですが」
「わかった…しかしお前一人で行かせては不味いのでな…私がついていかせてもらう」
「あら直々にいいんですか?一応部屋の外に部下はいますし…他の方でも構わないんですが…」
「なかなか深部の方でな…なにかお前にあったらこちらも不味い」
「そうですか…それがマゼランさんの判断ならお任せします」
笑顔で了承し、そして書類を受け取り行こうとなった時、再びマゼランさんが腹部を抱えた。
「…」
「?マゼランさん…?」
「…少しまっていてくれ…」
それだけ言うとマゼランさんはトイレに篭りに行った。
「……だ、大丈夫ですか〜?」
「うぅ…すまん…」
「いやいいんですけどね…」
呼びかければかえってきた苦しむ声に、思わず乾いた笑いが漏れる。
「…今度なにかお腹に優しいもの持ってきますね…」
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