雛鳥と狼
すりすり、ふにふに
「…なにしてんだ?」
「狼の時のジャブラさんのお鼻が、柔らかくて好きなんです」
ものすげぇ楽しそうに俺の鼻の頭を触り、頬をすりよせるアヤに視線だけをやる。
「…俺は犬じゃねぇんだぞ」
「わかってますよ。でも狼なジャブラさん可愛いんですもん」
ちゅ、と俺の鼻の頭に恥ずかしげもなくキスを落としてきたアヤの体を、のそのそとのっかって倒す。
「うぇっ?重たいですー」
「お前のお気に入りの狼さんが乗ってやってんだから喜べよ」
鼻の頭をすりつけ、頬や首筋を舐めればくすぐったそうにアヤが笑う。
ゾオン系はこういう時、特だよな。
動物の姿なら、じゃれただけだと言える。
「ふふ…もう、涎でべとべとになっちゃうじゃないですか」
「いつも俺をもふってんだからたまにはいいだろ(やわっこいな)」
「仕方ないですねー」
困ったように笑ったアヤが、小さな手を伸ばして頭を撫でてくるのがたまらねぇ。
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