加藤程、弄り甲斐のある男もそうそう居ないであろう。
正しい恋人の愛し方(西加)
「お前という奴は、一体何度言ったら分かるんだ!!」
「……………。」
頭上から降り注ぐ怒鳴り声。
ぶちギレ状態な恋人。
いきなり人ん家(チ)に上がり込んで来たかと思えば、何故か正座させられ、説教を受ける羽目となってしまった俺。
全くもって、意味が分からない。
(別に怒鳴る事でも無ぇじゃねぇか……)
只、加藤の鞄にエロ本(※無修正物)を仕込んでおいただけだというのに。
自分としてはちょっとした悪戯程度でやった事なのだが、どうやら向こうは違っていたようだ。
「こら!!聞いてるのかっ!!!」
説教そっちのけで今の状況を分析している俺を見下ろす目付きは厳しい。
「あーハイハイ、聞いてる聞いてる。」
一応な、と心の中で付け足してから、ゆっくりと足を崩す。
さっきから足が痛くて仕方なかったのだ。
「………誰が足崩して良いっつった?」
しゃがみ込み、どすの利いた声で睨みを利かせる恋人は正にヤンキー顔負けの迫力であったが、特に怖くも何とも思わなかったので足はそのままにしておいた。
正す気など更々無い。
「に―――」
「つーかさ、」
いい加減怒鳴られるのにもうんざりしてきたので、相手の言葉を遮り、口を開く。
「そこまでキレる程の事でも無くね?」
いつまでも言われっ放しの俺ではない。
この辺りで適当に言いくるめ、うやむやにしてしまおうではないか。
いつも通りに。
だが―――
「キレる程の事だろうがっ!!!」
うやむやにするどころか、更に悪化させてしまい……
「うっせぇなぁー……」
コンドームの時よかマシじゃねぇか、と呟けば、あれは問題外だ!!と叫ばれ頭を思いっきし叩かれた。
「痛ってぇー……」
「ったく……、いつになったらちゃんと反省するんだお前は……」
怒鳴り過ぎて疲れたのか、呆れ顔でぼやく加藤。
それにする訳無ぇだろ、と速答すれば、ハァー…と重苦しいため息が返された。
「なんでそうなんだよ……」
「まぁ良いじゃねぇか。」
元気出せよ、と言ってから項垂れている加藤の頬に手を添え、チュッと軽くキスしてやれば、ゆでだこのように顔を真っ赤にした恋人と目が合った。
「っ!!何して……」
「慰めてんの。」
相手の首に両腕を回し、俺って優しくね?と耳元で囁きながら息をフゥ……、と吹き掛ける。
「ん……っ!」
感じやすい恋人はそれだけでも十分な刺激となったらしく、ビクリと全身を震わせた。
「に……、し………」
「なぁ、加藤……」
力が抜けた所為か、あっさりと組み敷かれる体。
たかがこの程度の事で感じてしまう恋人は中々可愛らしいもので、その気が無くともついつい弄り倒したくなってしまうのだ。
(けど、ま。)
好きなだけ遊んだ事だし、後は―――……
「気持ち良い事しようぜ?」
時間を掛けてたっぷりと、全身性感体な恋人を愛してやる事にした。
END
(俺明日バイト入ってんだよ!!朝から!!!)
(は?知らねーし。)
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文月さん宅の四万打企画で書いていただきました!!!!
西くんに見事に躍らされてるかとうちゃ…!!
弄られ加藤と弄り西良いですね〜!何かこの二人は愛あるSMって感じです(笑)
あと例の物のエピソードにも凄く萌えました////
文月さん、本当にありがとうございました〜!!
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