「ヒロトの今日の技、凄かったなぁ」

俺の部屋のベットの上で緑川はそんなことを呟いた。俺は「そうだな」と言っておく。

「何であんなにかっこいいんだろう…」

ヒロトのことを話すと緑川はいつもこうだ。まるで女の子が好きなアイドルについて語るみたいな目でヒロトのことを「かっこいい」とか「優しい」とか言うんだ。

それは俺も思うし、否定することもないと緑川にこうして同意する。だが、俺達は付き合っているんだから俺に話すのはどうかと思う。

内心、かなりヒロトに嫉妬しているんだから。

「緑川はヒロト、大好きなんだな」

嫌みったらしい言い方で緑川に吐き捨てると彼は無垢な笑顔で「もちろん!」と言った。俺は目を見開く。

「だって、ヒロトは俺の憧れだもん!」

「…………憧れ?」

声が少し低くなってしまったが、緑川はヒロトのことを語るのに夢中で気づいてはいないようだ。

「昔からヒロトを目指してきたんだ!」

「緑川にとってヒロトは、」

「家族だよ」

まぁ、そんなことだろうとは思っていたがやっぱり悔しい。

「緑川は、さ」

「ん?」

「俺とヒロト、どっちが好き?」

緑川は目をぱちぱちさせた。

(意地悪な質問、かな)

「そんなの風丸に決まってるじゃん」

そんな緑川の答えに今度は俺が目をぱちぱちさせる。緑川は少し頬を赤らめて笑った。

「だって、ヒロトの好きと風丸の好きは全然違うもん!!」

「み、緑……川、」

そんな緑川が可愛いすぎて俺は優しく抱き締める。

「か、風丸っ」

「俺も緑川が大好きだ」

かぁ、と真っ赤になって目を逸らす彼に俺はくすっと笑って軽いキスをする。

「か、かぜま…る」




夢中なのはどちら、?
(それは俺の方)



相互していただいている抹茶さんから頂きました!
かわいらしい風緑をありがとうございます。
風丸は嫉妬深そうだ、と仰っていたのですがその通りだと思います。
大好きな嫉妬モノを抹茶さんの素敵な文章で書いていただけて嬉しかったです!



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -