Don't break my heart…






向日葵さまからのリクエスト。謙→蔵×オリキャラ、というリクエストだったのに、なぜか財→謙→蔵×オリキャラ(しかもオリキャラは名前だけ)という小説になってしまいました…

申し訳ないです。



「今朝な、葵と話してたんやけど…」

白石が俺に向かって楽しそうに話し掛けてくる。

彼の唇が紡いだ名前に、俺はまたか、と暗い気持ちになった。



西条 葵。

これは白石の彼女の名前だ。そして、俺の大嫌いな名前。

奴が白石と付き合い始めたのは、今から二週間前のよく晴れた日だった。

「あの、わ、私…白石先輩のことが、好き、なんです」

部活帰り、俺と並んで歩いていた白石に駆け寄ってきて、顔を真っ赤にしながら言った、奴の言葉と、表情。

それは、今でも俺の頭の中にちらついて離れようとしない。

そして。「ええよ」と言った白石の、眩しい笑顔も…



「謙也?聞いてるん?」

叶わぬ恋に思いを馳せていた俺の顔を、白石が突然覗き込んできた。

「ん…聞いてる」

「ほんまに?なんか上の空って感じやで?」

心配そうに俺を見る白石の端整な顔に、何故か無性に腹が立った。

ぷつり。俺の頭の中で、何かを繋ぎ止め、縛り付けていたものが、音を立てて、切れた。

「俺の…俺の前でそいつの話すんなや阿呆!俺はそんな話聞きたない!!」

「謙也!?待ちぃ!!」

白石の声が聞こえたけど、俺は無視して教室を飛び出した。





「それで、今に至るっちゅー話や」

「そっすか」

「なあ財前、俺どうしたらええと思…ぐごっ!」

もしかしたら、相談に乗ってくれるかもしれない。

そんなことを財前に期待した謙也に、財前の鉄拳が襲い掛かる。

「痛いやんけ…お前な、一応俺は先輩やで?」

「うるさいっすわ!」

「は?なんやねんおま…うがっ!!!」

今度は鳩尾を狙った肘鉄が、謙也の脇腹に突き刺さる。

「先輩、知ってます?」

「おまえなぁ…ほんまに俺を先輩や思てんのか?…ん、何をや?」

「俺が、先輩のこと好きやってこと。知ってんすか?」

脇腹をさすっていた謙也は、財前の台詞に驚いて椅子から転げ落ちていった。

「びっくりするやん…いきなりなんやねん」

なんとか立ち直り、財前の顔を見る。

財前の顔は熟れ過ぎたトマトのように真っ赤だった。

「だから、先輩が部長に恋してんの見たらまじで腹立つんすよ」

「財前…?」

「だから、…………………先輩、好きっす」

「え?」

顔の赤い財前は可愛いかもしれない。そう謙也が思った矢先。

「………もういい、帰れぇっ!!!!!」

財前の叫びと肘鉄が、再び謙也に突き刺さったのであった…





END





orz==33(←スライディング土下座のつもり。

こんなのになってしまいました…

向日葵さんごめんなさい!

顔の赤い財前は、私の妄想です。

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