神童はモテる。

しかも、何故か異性にではなく同性に。

俺と神童が付き合ってることが部員たちにばれた時の奴らの反応は凄かった。

あのピンク髪や松風だけでなく、3年の奴らも物凄い勢いで俺に詰め寄ってきた。

黒の騎士団として奴らと戦ったときはひ弱な奴らだ、なんて思ったが。

奴らはまったくひ弱じゃなかった。

そして、そのばれた日から毎日のように俺と神童を引き離すための嫌がらせが始まったのだ。

神童はもとが素直で純な奴だから、霧野の口車に乗せられてほいほい着いて行ったりする。

それについて俺が怒ると泣き出す始末。

これは完全なる嫌がらせだ。


「おはよう神童」

「おはようございますキャプテン!」

「なんだ剣城、まだ生きてたのか。…おはよう神童!」

グラウンドに踏み込むと同時に掛けられる声。

殆どは神童に対するものだ。

ピンク髪だけは俺に声を掛けてきたが、その内容は酷い。

まだ生きてたのかってなんだ。死んでるわけがないだろう。

それともお前は俺を殺そうとしたことがあるのか?

そう考えた俺は、思わず身震いした。あり得る。


練習が始まった。

グラウンドで指示を出し、自らも走り回る神童はいつもよりかっこいい。

いつもは女々しいくせにな、なんて思っていると。

「ぼーっとするな剣城!」

神童が俺を怒鳴りつけた。

俺はマゾではないが、神童の怒鳴り声を聞くのはかなり好きだったりする。

頬が緩むのを抑えきれない。

「剣城!」

松風の声が聞こえて振り向くと、凄まじい威力のボールがこちらへ飛んできた。

なんとか足で受けてそのまま神童にパスする。

俺の足の強さをなめるんじゃねぇ。

「霧野!」

神童からピンク髪にパスが渡る。

おう、なんてさわやかに言ってボールを受けたピンク髪は、まったくさわやかじゃない顔でこちらを睨み、パスを出してきた。

威力もスピードも、松風のそれとは比べ物にならない。

なんでディフェンダーのピンク髪がそんなボール蹴ってんだ、おまえフォワードになれよと思いながら蹴り返す。

が、できなかった。

ボールの威力に負けて吹っ飛ばされた俺は、地面に背中を思い切り打ち付けた。

「剣城!」

神童がこっちにかけよってくる。

「大丈夫か、剣城!お前が怪我なんかしたら俺は…!」

俺を覗き込む神童の目には涙。

「大丈夫だ、心配するな」

そう言って起き上がると、神童は物凄く安心したようでにっこり笑った。

うわ、かわいい。

それを見ていたピンク髪が怒って、俺を校舎裏に呼び出したのは、また別のお話。




すいません…

私総受けって苦手で…

ちゃんと総受けの剣城オチになってますかね…

リクエストありがとうございました、またのお越しをお待ちしています。
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