第9話


悠太side

「悠太くん 帰ろう?」

そばに寄ってくる早川

「そうだね」

少し歩く速度を 緩めると その間に並んだ

「悠太くん 今日ね… おいしいスイーツのお店見つけたんだけど 一緒に行ってもらっていい?」
……スイーツのお店か
ナマエに そういうところに連れていった事なんてなかったな

「うん いいよ」







よく考えると ナマエと出かけた事は あまりない気がした

一緒にいるだけで 幸せで どこかに行こうとか 全然思わなかった

「悠太くん?」

「ゴメン 考え事してた…」

「じゃあ もう一回話すね 期間限定で イチゴモンブランがあって…」

「イチゴモンブランって何かおかしくない?」

「おかしくないよ モンブランの栗の代わりで クリームもイチゴなんだよ」

「ふーん」


「あとね プリンがクリーム増量中で……どれ食べようかな」

何にしようか

女の子向けの店だからか クリーム系が多い

無難なのは コーヒーゼリーか
とりあえず 微糖でクリームも少なめだ

「えー ナマエおかしくない?」

「おかしくないよ あたしはこれにするの!」

「なんでせっかく パフェがおいしいお店に来てるのに コーヒーゼリーにするの!?」

「今日は クリームじゃない気分だから」

「何それ! 一緒にパフェ食べようよ」

「今日はコーヒーゼリーにするの!」

席の斜め後ろくらいに ナマエ達も来ていたみたいだ

「悠太くん 注文頼んじゃって平気?」

「じゃあ 俺 コーヒーゼリーで」

ナマエと同じメニュー

そう考えると コーヒーゼリーが少し楽しみになった





「おいしかった 今日は付き合ってくれてありがとね」

「俺もおいしかった」

「今度また一緒に行ってもらっていい? 来月はミルクレープが30%引きなんだ」

「わかった」


また あの店に行ったら ナマエに会える気がした


『ただ それだけの為に』

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