別れと思い


最近 涯に会ってない

電話をかけてもつながらないし
メールも来ない

「涯…」

ピロロロ

電話だ

涯かな?

急いで ケータイを開く


「もしもし」

「ナマエ…俺だ」


久しぶりの涯の声

やっぱり落ち着く


「久しぶり 元気だった? メールも電話もしてくれないし…」

「ナマエ …別れよう」


「…なんで? どうして?」

泣きそうで
涙が出そうでこらえた

これは嘘だ
悪い冗談なんだ


「この世の中を変えたい 仲間と反GHQ組織を作るつもりだ」


「…涯」

「…だからナマエ …別れてくれ」

「…」

「これから表だって動く 政府に俺は目をつけられる …だから」


「目をつけられたってあたしはいい 涯と一緒にいたいよ 涯と別れたくないよ 涯は…いいの?」

「俺だって 別れたくない でもお前に被害があったらどうする」

電話越しの涯の声
いつもとは違って 少し湿っていて


別れるのは 本当なんだと改めて感じさせた


「…じゃあ 涯の事 ずっと待っててもいい? 全部終わるまで あたし ずっと待ってる」


「わかった 全部終わったら また電話する」

これは 別れじゃない
 全部が終わる…

それがいつになるのかはわからない

けど

「またね 涯 …愛してる」

「俺もだ またな」


プツンと電話の切れる音


 『バイバイ、大好き』


そっと 涯の電話番号 メアド 履歴を全部消した

消さないと 約束を 守れそうになかったから




title by 確かに恋だった。


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