カゲロウデイズ


attention!
カゲロウデイズをお題使用
あくまで自己解釈です


暑いな…
真夏日の真っ只中 12時半

目が覚めると そんな時間…

そうだ…今日は
集と…
待ち合わせだ…

急いで あたしは いつもの洋服に着替えた





集とは幼なじみで小さい頃から ずっと仲良しだった



「夏は嫌いだな…」

猫をなでながら集は呟いた


「あたしも…夏は嫌いだな」

暑いし…

集と一緒にいられなくなるし…

「猫が…逃げた」

逃げた猫を追いかけて の走っていった先は…

赤に変わったばかりの信号機だった


「集!」

バッと通ったトラックがを引きずっていく

広がる血飛沫

キミの香りが混ざって
生々しくて むせかえる

「…集」

キミの名前を呼びたいのに…
声が出ない…

これは…何?
嘘だよね…?

「…嘘じゃないよ」

いつからそこにいたかはわからない陽炎が わらってる

夏の青空

あたしは 意識を失った―。



「集!」

君の名前を呼んで 目が覚めた

夢を見たんだ

集がトラックで引かれる夢を

妙に生々しくて 蝉の鳴き声までよく覚えている


時計を見ると 8月14日 12時過ぎ

集との待ち合わせに遅れちゃう…

急がなきゃ…


あたしはハンガーにかけてあったパーカーを羽織った



「ナマエ 元気ないな」

「…そうだね」

元気がない

夢と同じ公園だ…
集が事故にあった

夢が現実になりそうで怖くて

「今日はもう帰ろう?」

集の手を強引に引いた

夢と同じ現実なんか見たくなかったから

「そうだな」

「アイス食べようか…」

「そうだね 暑いし 冷たいものが欲しいかも」

平和だった…
集は助かったって思ってた

…なのに


ねえ…
あれ見て!

騒ぎ出す人々
私達が上を見ると
の目の前に鉄柱が落ちてきた

「……!」

集の手を引こうとした
でも 体が動かない

落下した鉄柱が集を貫いて突き刺さる

周りは騒ぎだして 大混乱
風鈴の音が微かに聞こえてきて

これは
夢の続きなの?
昨日見た悪夢の続き

…そう思いたかったのに


「…夢なんかじゃないよ」

また陽炎がわらってる

眩んだ視界に見えた集の顔は

…笑ってるような気がしたんだ



何度 同じ世界を見ただろう
何回 集は死んでしまったんだろう

何回も 集を助けようとしても 陽炎が奪い去る

繰り返し 集がいなくなって何十年

…やっと やっと気づいたよ

こんな何回もが死ぬなら結末は きっとただ一つだけ

繰り返した8月14日

集と私は一緒にはいられないって事


それなら…
私は…!!


「…集!ゴメン!」

集を突き飛ばした


「ナマエ!?」

横を向くと もうトラックが迫っていて


今まで ありがとう

ずっとずっと言えなかったけど…


私… 集の事…


大好きだった…


体が軋む

私…トラックに 引かれたんだったなぁ…

私の血が飛び散る

チラッと見えた 集の顔

そんな顔しないで 私は…



「ナマエ!」

目を覚ましたのは 8月14日のベッドの上


僕は…


「また…ナマエを助けられなかった…」

一人 猫を抱きかかえた





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