譲らないよ


陽泉高校、今はバスケ部は練習中なのだが…


バスケ部員、それもレギュラーである黒子と氷室は体育館ではなく外にいた


その理由は黒子が体育館へついた時に遡る




「あれ?紫原くんは…?」


体育館についた黒子は中学から同じで今は「キセキの世代」と呼ばれているうちの1人
紫原がいないことに気が付いた黒子は
先輩の1人、氷室にそう聞いた


「敦かい?まだ来てないよ」

「…もう始まるんですけどね、部活…」


もうすぐ部活が始まるというのに来ていない紫原に少し呆れている


「探してきますね」

「あ、まって」

「はい?」

「俺も行くよ」

「え?」


その後監督と主将に一言いい外へでた



という経緯で今、黒子と氷室は紫原を探している


「中学のときも、こうやって探していたの?」

「そう、ですね…赤司くん…あ、キャプテンなんですけど
よく彼に探してきてくれ、と頼まれて…」

「なるほどね
敦はテツヤくんの言うことは聞くからね」

「そう…ですかね?」

「そうだよ」


紫原は練習が嫌いだ、なので遅れてくることやサボることはたまにある

しかし、その度に黒子が怒る…というより注意するのだ


それに嫌そうな顔をするが

「黒ちんが言うなら」

となんだかんだ従うのだ
黒子に抱きつくというオプション付きで


「ただ敦は練習嫌い、でも負けるのはもっと嫌いだよね」

「はい、だから言えば練習はしっかりするんです」

(こうやって練習をサボるのって、テツヤくんに構ってほしいからじゃあ…)


紫原は基本的にゆるい、マイペースな人間でバスケに関することを除けば大きな子供のような感じなのだ(大きすぎるが)

なので陽泉のメンバーとも仲良くやれている


しかし、黒子が絡むと別で
周りが黒子を構うと不機嫌になり周りを押し退け黒子を抱き締める

それは「黒子は自分のもの」と言っているような感じだ


しかし黒子は抱き締められると、身長差と力の差のせいか
「苦しいです」
と紫原の腕をペチペチとたたく

しかし紫原はゆるめるでころかさらに力を込めるのだ


そんなことを思い出し


「敦はテツヤくんのこと好きだよね」

「そうですかね、中学から一緒だからだと思いますが…」

(そうだ、彼、鈍感なんだ)


誰かに抱きつかれても「苦しいです」の一言で終わらせ

撫でられた時にも「やめて下さい」で終わらせる

その行動の中には好意が含まれているにもかかわらず、だ

その上、その好意に気がついていないという…




「あ、紫原くん」

「ほんとだ」


そうして話しているうちに紫原を見付けた黒子と氷室

黒子は紫原に近付き


「起きて下さい」


と声をかけた


「ん〜黒ちん?」

「はい、うわっ」


紫原は起きたかと思うと黒子の腕を引き、抱き枕のように抱えた


「紫原くん、練習ですよ」

「ん〜」

「ちょ…氷室さん、助けて下さい」


自力で抜け出せないのを悟り氷室に助けを求めた


「いいよ」


紫原に抱き締められている黒子を抜き出しヒョイと抱えた


「…すいません」

「かまわないよ」

「ん〜あれ?黒ちん…室ちん返してよ」


ぬくもりが無くなり目を覚ました紫原は氷室にそう言った


「テツヤくんは敦のじゃないだろ?」


抱えたままの黒子の髪に軽くキスをする


「室ちんのでもないでしょ」


「俺は譲らないよ」

「俺だって譲らないし」


睨み合っている2人を疑問に思いながらも黒子は


(部活、なんですけどね…)


と思っていた



大きな子供とクールな帰国子女に挟まれながらもなかなか自覚することのない影の少年のそんな日常






ゆーちゃんから頂きました!!in陽泉で陽泉サンドです!!

やばいです。終始ニヤニヤしてました。傍から見たらキモイですね…。
でも、ニヤニヤが止められない!!なんてこったヽ(´Д`;)ノ

全てこの素晴らしすぎる小説が悪いんだ!!そうだ!!(`・ω・´)



ゆーちゃん本当にありがとうございました!!
家宝にさせていただきます_(_^_)_


 

 

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