性表現有りの為R18、途中軽スカ有
校舎を離れた別館。 廊下を真っ直ぐ進んだところにある観音扉は図書室に続いていた。
部屋の中はとても静かだった。 ただ静かなだけじゃない。本が沈黙している。 そんな感じだった。
入学してからというもの数えるほどしかお世話になっていない図書室には一つだけ大きなソファがあることを俺は知っている。 とにかく今はこの身体を休めたい…。 頭にはもうそれだけでいっぱいだった。
「は…」
ソファは図書室の奥の窓際に置かれていた。 そこに身体を落ち着かせようとしたときだった。
−−バンッ!!
「いっ…!」
後ろから誰かに思い切り背を押され、俺は前のめりでソファに膝を付いた。
「!…」
いくらソファに柔らかいクッションがあるとはいえ突然の衝撃に身体が痛んだ。 振り向くと、
「く…ろ、こっち…」
そこには黒子がいた。 どうして此処に…?声にならない問い掛けを察した黒子は淡々と答えた。
「黄瀬くんの声がしたので、後ろを追い掛けて来ました」
「は…」
追い掛けてきた? そんな気配は微塵もなかった。一応は周りには気を付けてこの場所まで来た筈だったのに…気配を消すことに掛けては黒子の方が何倍も上手だった。
見つかってしまったのは不覚だったが、この時の俺はそこまで動揺はしていなかった。 それは相手が黒子だから、という安心感だ。
「そうなんスね…っ、…ところで黒子っち…俺今すごく、」
「辛そうですね」
「うん…ほんと最悪っス…。こんなん頭おかしすぎ…帰りたい…」
俺はソファにもたれながら身体のだるさを漏らした。黒子はただそれを見下ろしている。
黒子なら俺には何もしない。
そんな安心感があった。頭の中も身体的能力も異次元な彼らと違い常識のある黒子なら「こんなゲームは馬鹿げている」と、俺と同じ意見を持ってくれていると思っていたのだ。
しかしそんな希望は彼が此処にいる時点で無いに等しい事に、このときはまだ気づけなかった。
ソファに凭れる俺を見下ろしながら黒子は言った。
「黄瀬くん。僕はあんまり乱暴な事が好きじゃないんです。だから…出来れば君に傷を付けるなんてしたくない」
黒子は静かにそう言って自らのネクタイを解く。 その所作になんの疑いもせず、俺はただ黒子を見上げる。月明かりに、半分影になった顔を。
「!」
油断は俺に隙を生む。黒子はそれを逃さなかった。
「なに、して…黒子っち、痛い…!」 「でも、逃げられるのはもう嫌ですから」
それはあまり素早く丁寧に、解かれたネクタイで俺の両手首は拘束された。
グッと力が込められたネクタイの紐は俺の手首に食い込んで離さない。
この時始めて俺は黒子に恐怖感を覚える。
「や、…だ…黒子っち…つ…!」
何もされない。黒子は俺に何もしない。 その思い込みは間違いだった。
「黄瀬くん…僕はこうする事でしか君を独占できないと思うんです」
そう言いながら俺の身体に被る。頬に触れられたその手はとても冷たかった。
*
「は…あ…!!や、ぁ…っ」
「気持ちいいですか?」
手は未だに拘束されたまま、俺はズボンと下着を足首まで降ろされた状態にされている。 ソファに座り足を大きく開いた形で黒子に下半身を曝け出して。 なんの躊躇いもなく俺のペニスに触れる黒子に俺は心が折れそうだった。 冷たい指先は幹を掴み、絞る様に上下に移動する。それだけで熱が一気に加熱するようだ。
「あ…あっ、ああ…!」 「たくさん出ますね、…ここ、すごくヒクヒクしてます。いやらしい」
先端から漏れる先走りが自分でも溢れているのが自分でもわかる。黒子が指を動かすたびにピチャピチャと水音がするからだ。 やめて欲しいのに、やめて欲しくない。 前者の意思は脆く、後者の意思は増すばかり。
「黄瀬くんは知ってますか。ここは、中まで気持ちいいことを」 「は…あっ、…ぁ…!」
中…? 中って、何だ。 止まない刺激の中働かない頭でその言葉の意味を考える。 黒子が上下に俺のペニスを扱きながら、その親指で亀頭をぐにぐにと潰しだす。
「ひ、!あッ…ン!」
最も敏感な先端を擦られ、俺は今にも達してしまいそうになった。 情けない位にペニスは勃起し俺の腹にまで届きそうな勢いで熱を孕んでいた。 そんな時黒子はポケットから何か棒状のような物を取り出し、俺に見せる。
「黄瀬くんにはもっと気持ちよくなって欲しいです」
ボールペンだろうか。 それを分解し、中身だけ取り出されたそれはインクの細い部分だ。 あろうことかそれははち切れそうなペニスの入口にあてがわれる。
「な…に…っ、」
「中に挿れると気持ちいいらしいですよ。本で読みました」
……黒子っちは一体何の本を読んだんだろうか。なんてツッコミを、素面の俺ならしていたと思う。そしてその知識は大間違いだと全力でツッコんだとも思う。
「う、そ…やだよ、黒子っち、やだ、やだやだ!」 「すぐに良くなりますから、我慢してください」
俺は全力で首を横に振った。本気で泣き出したいとも思った。小柄な黒子相手になら突き飛ばしてでも逃げられると思ったのに、黒子の力は案外強くて逃げられない。
俺の悲願虚しく、その細い棒は俺の尿道にプスリと差し込まれていった。
「い、い? あ、あ…!!、や、だ…やだ!抜いっ…うあ…ッ!!」
それは想像を絶するような痛みだった。 痛い痛い痛い、怖い。 俺は涙が止まらなかった。
「すごい…挿るんですね。飲み込んでる。ココ、見えます?」
「う…うぁ…つ、う…、ひ…!」
見たくなんかない。ペニスに異物が挿り込んでいるなんて怖さから俺は動けずに震えた。それは例えようのない感覚だった。飲まされた薬のせいか痛みはあるものの何故か身体の奥の疼きは止まらない。 むしろじんわり、と感じたことのない気持ちよさが俺の身体を駆け巡る。
「ひ、う…あ、っ!」 「すごい、半分挿りましたよ」
そういいながら黒子は細いペン先をグルグル回している。 俺はその度に身体が揺れた。 そして暫く、達しそうになった瞬間だった。
何かが違う。 いつもと。
「ーーー!!」
これはただの射精感ではなかった。
「だ、め…!やだ、黒子、っ、ち、あ!あ、出る、あっ、…ひ…!」
「はい、いっぱい出していいんですよ」
「違…っ、ちが、あ…!っ、ひゃ…やめ、っ…!!」
「そうですね、これ、邪魔ですよね。今抜きますから、イってください」
「あ、だ、駄目、抜いちゃ…!!」
俺の懇願虚しく黒子はペニスの根元を扱き乍尿道を栓していたボールペンを勢いよく抜いた。 その刺激を受けた途端、
「ーーーあ…ああ…ッ!」
シャアアーー…
俺のペニスから吐き出されたのは精液ではなかった。黄色い尿の染みが広がる。 黒子は少しだけ驚いて目を開けたがその痴態に引くどころか笑みを浮かべている。 そんな黒子に気付く余裕が今の黄瀬には勿論なかった。 まさか同級生でそれも一番慕っているチームメイトの前でこんな姿を見られるなんて。
「人前でお漏らしなんて恥ずかしいですね、黄瀬くんは」
あまりに直接すぎる現実に黄瀬は目からポロポロと涙を流した。
「う、…う、…っ」
「大丈夫です。僕は黄瀬くんなら何でも愛せる自信があります。ねぇ、黄瀬くん」
黒子は黄瀬の名前を呼び、ゆっくりと顔を近づける。
「誰にも言いませんよ。こんな可愛い君を僕以外になんて見せる訳がない」
「黒子、…ち…っ」
黒子が黄瀬を抱きしめ、まるで子供をあやす様に背中を優しく撫でる。
「2人だけの秘密にしましょう。だから今日から君は、僕のものですよ」
尋ねるのではなく、断定的な語尾は黄瀬に有無を言わせない。
「黄瀬くん。好きです」
そう言って優しい告白を聞いた途端、黄瀬は黒子の腕の中で静かに目を閉じた。
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