性表現有りの為R18
赤司の面接(?)により先日から帝黒組の一人として迎い入れられた黄瀬。 しかし仕事をすると言ってもこの世界で生きるには黄瀬の顔は世間に知られすぎている。 それは青峰のように直接客に出向きお金を回収する事も出来なければ黒子のように何処かへ潜入して情報を掴むような事も出来ない。かと言って緑間のように頭を使う事務作業は到底出来なないし、時間も不定期なモデル業に勤しむ黄瀬は常に赤司の側についてボディーガードをする紫原のような時間も無い。
「……俺って何すりゃいいんすかねー」
珍しく全員が揃っている事務所内にて黄瀬は呟いた。 パソコンを弄ったり漫画を読んでいたりそれぞれの時間を過ごしていたメンバーたちはその言葉を聞いて黄瀬に視線を向ける。
「今日はお仕事お休みなんですか?」
初めに反応をくれたのは事務所内のソファに座りながら飼い犬と戯れる黒子だった。どうやら新しく買った首輪を装着さけている最中らしい。
「そうなんスよ。カメラマンの人が急遽来れないとかで午前中は衣装チェックだけで終わっちゃって…」
その答えに視線だけはよこしたものの読んでいる漫画の展開に夢中な青峰は至極どうでもよさ気に、
「へー」
と返事をした。 黒子が座る向かいのソファを一人で占領し寝転んでいる姿を緑間は「だらしがない」と文句を言っていた。
「黄瀬ちんはさぁ普段からバリバリ働いてんだから此処にいるとき位休んだらー?」
社長椅子並の椅子に座る赤司の後ろでチョコレートを頬張りながら間延びした声で言う紫原に黄瀬は抗議する。
「そんなの俺が此処に来た意味がないじゃないっスか!」
「てかぁ、そもそも何で来たんだっけ?」
「それはあの時見た青峰っちの右ストレートが…」
と、此処に来た動機を言いかけた所でその当の本人、青峰を見た黄瀬だったが、あの時とは違いだらしなくソファに寝そべり漫画を読んでいる姿を見て考え直しこう呟いた。
「……ほんと、何でだっけ…」
それすらも聞いていない青峰だった。
そして将棋の棋譜を盤に並べていた赤司がパタリとその本を閉じた。
「涼太は仕事がしたいのかい?」
「もちろん、雇われたからには俺にだって此処の役に立ちたいと思う」
「役に立ちたい、か」
考えるようにして背凭れに体重をかけ天井を仰ぐ赤司。 そして数秒も立たず黄瀬に視線を戻して提案する。
「そんなに役に立ちたいんなら僕の部屋に来るかい?」
涼しい顔で何気無く赤司がそう言った瞬間だった。黄瀬以外のメンバー全員が大袈裟な位にビクッ、と震え個人個人の作業の手が止まる。
「赤司っちの部屋?そこに仕事があるんスか?」
「そうだよ。それも涼太なら申し分ないくらいのね。まぁ…他の奴らでもいいんだけど…」
そう言って赤司は黄瀬以外のメンバーを吟味するように視線を向けた。 その視線を受けた瞬間メンバー達はいそいそと立ち上がり、
「僕は図書館に本を返しに行って来ますね」
「いっけね…今日の返済日の奴がまだ居たんだった」
「注文した信楽焼がそろそろ届く頃だな」
「お菓子食べ過ぎたかも〜…トイレ」
同じタイミングにそれらしい理由を付けて4人は一つの扉から退散してしまった。 事務所に残されたのは黄瀬と赤司の2人だけ。「みんな忙しいんスねー」と疑いもせず漏らした黄瀬の傍ら赤司だけは薄い笑みを浮かべていた。
*
帝黒金融はビルを一棟丸々拠点としている。事務所と呼ぶには豪華なその中には客を招き入れる応接室、一同が集まる談話室、そしてメンバーそれぞれの部屋も一人一部屋用意されている。それぞれの部屋にはトイレや風呂も完備しており会社のビルというよりも小さなホテルといったほうがしっくりくる。
最上階にある赤司の部屋は黒を基調とした、シンプルだが高級感と気品が漂う内装になっている。
「わ、結構広いんスねー。お邪魔します」
「遠慮しないで。適当に寛いでくれればいいよ」
部屋に入った赤司は冷蔵庫からアイスコーヒーのボトルを取り出してグラスに注いでいた。 お言葉に甘えて黄瀬は部屋のソファに座る。皮で出来たソファは質感が良く座る黄瀬の身体に柔らかくフィットしそれはとても気持ちが良い。
グラスに注がれたアイスコーヒーを赤黄瀬の前に置き、赤司は隣のスペースに腰掛けた。
「ミルクは…使う?」
「あ、どーも。そのままで大丈夫っス」
きちんとストローまでさされたグラスを持ってアイスコーヒーを飲む黄瀬の横顔を赤司はじぃ、と見た。 普段人からの視線を集めて生きてきた黄瀬にとってそれは気に留めるような事ではなかった。しかし2人きりということもあり、それに何だか圧倒的に距離も近い。
「…俺の顔に何か付いてます?」
「いや、別に」
「視線が気になる…」と意味を込めて尋ねたものの、赤司は相変わらず黄瀬を見ることをやめなかった。
それは初めて会ったときと同じような、「自分の知らない自分まで見透かされているような視線」だ。
「そ、そういえば仕事って何?」
気を紛らわせようと此処の部屋に来た理由を問いたときだった。思い出したように目を開く赤司はそっと内容を説明しだす。
「ああ。簡単な仕事だよ。誰でもいいって訳じゃないけど。涼太はただおとなしくしていればいいだけの、簡単なお仕事」
「?それってさっきとあんま変わんなくないスか?」
「まぁ少しは疲れるかもね」
はっきりと肝心な部分を言わない赤司に黄瀬は首を傾けた。 そんな様子を見て「可愛いね」と笑った赤司はバッとその身体を押し倒して黄瀬を見下げる。 突然反転した視界に黄瀬は大きな目を更に大きくして見上げた。
「え、な、に…?、っンふ…!」
「休憩は終わり。お仕事だよ涼太」
そう言って黄瀬の薄く整った唇にキスをする。唇同士を擦り付けるような接吻から次第に吐息が漏れそれすら逃がさないように赤司は黄瀬を捉える。
「ふぁ、っ…仕事…て、っ…ン!」
「僕の相手をすることかな」
崩さない薄い笑みでさらりとそう告げられた瞬間黄瀬は軽い眩暈に襲われた。 本気かと。 自分は男だし、いくら綺麗な顔をした赤司だって同じ男だ(実は女だと言われても今ならギリギリ信じてみようと思うが…) ゲイや同性愛なんて呼ばれる類も黄瀬が働く芸能界では珍しい事でもないし、実際誘いを受けた事もあるがオーケーをしたことはない。
というか、 自分はそもそも…
「お、俺…っ、シ、シたことないんすよ〜…!」
これから自分の身に起きる危険からか泣きそうな、情けない声で自分が男性との経験もなければ女性との経験もないことを黄瀬は暴露した。 それには流石に赤司も驚いて重ねていた唇を離した。
「…冗談だろ?」
「こんな嘘誰が付くんだよ!馬鹿!」
馬鹿?僕がか? 普段言われ慣れない言葉にピクリと反応した赤司だったが今はそれよりも黄瀬の言葉が気になるようで。
「処女で童て、」
「ああああああ!言わなくていい、言わなくていいっ!」
「というか、…今迄よく無事だったね。その事に驚きなんだけど」
「…ウチの事務所は恋愛禁止なんスよ、一応」
「それでも誘いは沢山あっただろ」
「…ない訳じゃないけど、だって…こういうのは……」
好きな人じゃないと嫌だ。
「……」
ポカン。 赤司が目を丸くして固まる。 好きな人じゃないと? 聞き間違いではない。…20歳も中盤に差し掛かった若者がそう言った。 確かにそう言ったのだ。 赤司な本日二度目の驚きに暫く瞬きが出来ずにいた(赤司を驚かせるなんて只者ではない、)(メンバーがいればそうツッコミをいれるだろう)
天然記念物なのか?といいた気な目で赤司は黄瀬を見た(失礼だ)
「…事情は分かった」
赤司は掴んでいた黄瀬の手を掴んでいた手を緩めた。黄瀬は分かってくれたかと安心したように息を吐く。
「ごめんね赤司っち…」
そう、自分には赤司ほどの人間を満足になんてさせられる程の経験なんてない。 やや乱れた髪を治しながら起き上がろうとした瞬間だった。感じていた安心は黄瀬をあっさりと裏切る。
「優しくすれば問題ないだろ。安心しなよ、奴らの初めても全部俺が面倒みてやった」
アイツらの場合は童貞ではなく処女だったけど、とクッと笑う赤司。 アイツ等、とは黄瀬がこの状況に陥ると分かっていて出て行った先程の(非情な)4人の事だ。 赤司は「何の問題もない」と言って再び黄瀬の身体に触れた。黄瀬の着ているカーディガンとシャツを捲り上げそこから手を忍ばせる。
「あ、…っ!や、やだ…っ、触…っ、」
「あは、初々しくていいねそれ」
体温が通っているのか分からない冷たい赤司の手が黄瀬の肌を滑らかにまさぐる。身体をよじる黄瀬を逃がさないように跨る赤司は指先にひかかる小さな突起物をふに、と摘まんだ。
「ぁ…っ」
小さく漏れたその声は2人きりの空間で赤司にははっきりと聞こえた。 胸の飾りを親指と人差し指で挟むようにして擦り上げると黄瀬は細い肩を竦ませる。
「乳首が感じるのか」
「ちが…っ、ぁ…ふ…!」
「自分でシたこと位はあるんだろ?涼太が一番気持ちいいところは…」
ここ? そう言って赤司は黄瀬のペニスに膝を立てた。ビクッ、と大きく身体を揺らした黄瀬は慌てて上体を持ち上げる。
「そ、そこは駄目…っあッ…あっ!」
「駄目?どうして?」
同じ男としてその場所がどんなに敏感であるかは赤司も承知していた。分かっているからこそ触りたくなる。虐めて反応をみたくなる。赤司は立てた膝でグリグリと円を描いて黄瀬のペニスを刺激する。その間も胸を弄る手は休める事はない。
「ゃっ…!ぁ、あ…っ、あっ!」
「自分でするよりいいだろ?」
単純に気持ちいい快感に抵抗する黄瀬の手は赤司腕を掴むのみとなり、次第に下半身の中心は布越しで柔らかく膨らみだした。その膨らみを確認し、まるで愛しいものを扱う様そっと掌で包んでやる。
「涼太のここ、おっきくなってる」
視線を誘う様に付けられたピアスの光物に唇を当て赤司は低い声で囁いた。 それに対しカァッ、っと顔を赤くする黄瀬は泣きそうになりながら俯く。そんな黄瀬をやはり可愛いなと思いながら赤司は黄瀬のベルトを外し窮屈な下着から膨らみを解放した。 外気に晒されたペニスはふるり、と震え先端からはじわりと汁が溢れている。
「ベタベタじゃないか。素直なのは、嫌いじゃないよ」
「う、…っ、ぁ…、ぁ…!」
白と透明が混ざり合う汁を乾いたペニスに馴染ませる様に掌で擦り上げる。その度に滑りが良くなる摩擦に甘い快感を覚え黄瀬は脳味噌が蕩ける様な感覚に陥った。
「ぁ、ひ、っ!?…冷た…ぁ…ッ!」
「その内熱くなるから、我慢しなよ」
赤司が取り出したのは滑りを良くする為のローションだった。それを黄瀬の小さな穴に塗りたくる。初めは入り口を解す様に擦っていた指をプツリ、と中に挿れていく。
「ぅ、あ、…っ、やだ…、気持ち…悪…っ!」
細い指だけがぬるぬると侵入していく感覚に痛みこそないものの例えようのない異物感に身体は震える。 多すぎる位に塗りたくられたローションは次第に黄瀬の胎内で溶け、中を拡げるように挿された指は容赦無く狭い肉壁を拡げていく。
「挿れるよ」
選択肢は与えられなかった。 イエスともノーとも言わせない言葉と同時に黄瀬の未熟な胎内にと赤司のペニスが挿入された。
「ーーッ、ひ、!あ、い、痛っ、…あぁ…ッ!」
「…ッ、は、流石に、狭いね…」
躊躇いもなく貫かれたアナルの入り口はぎちぎちと悲鳴を上げていた。辛うじて血が出ないのは多量に使われたローションのお陰ではあるものの、指では解しきれていない奥はまだ乾いたままの状態だ。その場所に赤司のペニスが収まっている状態が痛みを伴わない訳がない。 黄瀬は今すぐにでも逃げ出したかった。しかし経験のない痛みに萎えた身体は全くといっていい程力が入らない。 それに、 黄瀬を見る赤司の目。 冷たい、貫く棘のような視線が黄瀬を捉えて離さなかった。 対象的に熱を持った赤司のペニスは黄瀬の涙などお構いなしに胎内を突き上げる。
「あ、あっ!…ふぅ…ンぁ…!」
同時に赤司の手が萎えた黄瀬のペニスにと触れる。後ろのアナルは痛くて堪らないのに前のペニスは気持ちよ過ぎておかしくなる。
「や、…だ、だめ、イ、…ーーッ、あぁっ…!」
相反する感覚を同時に与えられた黄瀬は止まらない涙を流しながら赤司の掌の中で果てた。黄瀬が達した瞬間狭い胎内にはキュゥっと力がこもりその圧迫感に耐え切れず赤司もそのまま黄瀬の中に熱を吐き出した。
*
次の日。 赤司は事務所内で椅子に座りながらいつものように将棋の棋譜を読んでいた。
「〜♪」
薄く笑いながら。 そして鼻歌混じりに。
(ヤったんだなぁ…)
それを見た事務所のメンバーはそれぞれが同じ事を思った。 黄瀬はまだ赤司の部屋で眠っているのだろう。 黒子や青峰、緑間と紫原は御機嫌のいい雇い主を見て暫くは黄瀬のお陰で自分たちの身の安全は保障されたか?と思いながら、それを同時に寂しく(え?)も思いつつ。 かと思えば真っ先に黄瀬を抱いた赤司を少し羨ましく(え?)思ったり。
それぞれはそれぞれに複雑な思いを巡らせていた。
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