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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -






「あんたなんかだいっきらい」
「あ、そう。偶然だね、俺は大好きだよ」

悟はにっこりと笑って、わたしの髪をぐいと引っぱった。いたい、と声をあげても、素知らぬ顔のままだ。

「離してよ!」

うるさいなあ、と悟が深くため息をついた。思わず身体が硬直して動けなくなる。おそるおそる、わたしは悟を見上げる。

「俺のことが大嫌いだろうが、どうでもいいんだよ。おまえは俺のそばにいるって、そう決まってるんだから」

にい、と悟は笑った。わたしは、くそやろう、と内心吐き捨てる。
銀髪からのぞくうつくしい瞳が弓なりに弧を描いた。それが高校生のとき、わたしと悟がまだ十代のときの話だ。