レッド(pkmn)
2021/01/07 09:03
しんしんと雪が降る。音を吸い込み、つめたさをはらんだ白さが積み上がってゆく。
重みでぐんにゃりと曲がった木の枝を見つけて、落ちそう、と思ったときにはずるりと雪が滑り落ちた。
「さむいねえ」
ジョウトの冬は厳しい。わたしの故郷、アローラよりずっと。越してきてからはじめての冬に、わたしは緊張するような、胃の奥のこそばゆさを感じていた。
「シロガネはもっとすごい」
となりに座っていたレッドがリュックをあさり、カメラを取りだす。
「写真好きだっけ?」
きみに見せようと思って、と言い、レッドが電源ボタンを押す。わざわざカメラを買って、シロガネ山に入れないわたしのために写真を撮っていたらしい。
「みて」
レッドがカメラのモニターをさしだすのを、わたしは身体を寄せてのぞき込んだ。
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