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硝子

2020/11/24 07:05

ーーどこまでも自分を追い込んで、そうして終いには、君は自死するのだろうね。

屋上の手すりに肘をついて硝子は言った。ゆらゆらと立ちのぼる煙に、こほ、と軽く咳き込む。すこし前、煙草をやめないのかと尋ねると硝子が首をかしげたのを思い出した。学生時代に吸い始めるとやめにくいそうだ、と言い、硝子は煙をまた吐き出す。
硝子は自分を追いつめることはないだろうけれど、煙草を吸うということは、死へ向かっていることなのではないのだろうか。ゆるやかな自殺。そう例えられることを、彼女が知らないはずがないのに。



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