Clap





バレンタイン文化はない。
利吉さんの中の人が豆から作ってるの見て思いついた話。

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「 おや、こんな所にいたのかい 」

『 利吉さん? 山田先生にご用ですか? 』

「 いいや、キミに用があってね 」

『 私? 』


そう言った利吉さんは懐から小さな小包を出すと私に向けて見せてきた。
やけに綺麗に包装されているソレを自慢気に見せてくるだけで特に何か言うわけでもない、チラ見やめてください。


「 ……なんか言うことは? 」

『 全く興味無いのでなんてお声を掛けたらいいのか…… 』

「 クッ……年頃の女性なんだから! 南蛮文化に興味を持ってもいいんじゃないか!? 」

『 別に私、南蛮文化を学びに学園通ってるわけじゃありませんから 』

「 まぁそう言うだろうな、とは思ってたけどね。はい、これは私からキミに 」


小包を無理矢理押し付けられたので受け取ると箱の大きさの割りに軽いと感じたのが第一感想。


『 中身はなんなんですか? 』

「 南蛮菓子のチョコレートさ。雇い主から報酬と一緒に豆をいただいて作ってみたんだ 」

『 へぇ。それを私に渡すのに意味があるんですか? 別に山田先生や小松田さん、下級生の子達や雇い主……渡す相手は大勢いますよね? 』

「 あー……はは……その……大切な人に愛を伝える日、と雇い主から聞いて、ですね…… 」

『 ふぅーん……利吉さんって私の事、好きなんだ 』

「 は!? 」


顔を真っ赤にさせ小刻みに震える利吉さんに近寄り下から顔を覗くと瞬時に距離を取られた。
流石フリーの売れっ子忍者様。


『 お返事、必要ですか? 』

「 い、いただけるので、あれば…… 」

『 ……卒業まで待てます? 』

「 !! 」

『 その時に、貴方が求める返事が出来ると思います 』


ひとまずコレは有難く頂きますね、とだけ伝えその場をそそくさと離れた。
顔が真っ赤、なんて人の事言えないな、私。


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Xの方にもあげる予定なので見掛けても「 あ~これか 」程度で大丈夫です☆
私じゃないXだと報告はしてください。
@m7120x

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感想等何か有れば



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