花畑 | ナノ




花畑





小日向かなでの頭の中はどう贔屓にみてもお花畑に違いないと土岐蓬生は思っている。
やることなすことが蓬生の予想の斜め上を飛んでいて、正直一般常識の範囲にはかすりもしない。

大体、よく知りもしない人間に地味やアホや言われたら怒るやろう?普通

初対面の時がまさしくそうだと蓬生は懐かしい夏の日を思い出した。
出会って早々、蓬生の相方の東金に散々馬鹿にされたかなで。いや、蓬生も正直かなでを馬鹿にしていた。見くびっていたというのが正しいのかもしれない。
二人に侮られたかなでは、それでも朗らかに…春のひだまりみたいなぬるま湯の笑顔で彼らの発言を受け入れた。

…どう考えてもぶっとんでる…

その光景を思い出すだけで、顔がにやける。いや、にやけているのは朝からかと蓬生は考え直した。
今日、大安吉日。小日向かなでは土岐かなでに改名する。
ようするに結婚だ。

お嫁さん…

頭のなかでそのフレーズを思い浮かべ、蓬生は頬を緩めた。
それを先程から無言でみていた東金千秋が耐え兼ねたように舌打ちする。
「小日向の頭の花畑、お前にうつったんじゃないか?」
その台詞に蓬生は、また顔が緩むのを止められなかった。

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